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EU経済EUユンケル委員長「安価な中国産鉄鋼に一段の対抗策とる用意」
タタ・スチールの英国事業売却などに危機感、中国産鉄鋼を反ダンピングで調査
4月13日、欧州委員会のユンケル委員長(写真)は、中国による鉄鋼製品のダンピング(不当廉売)行為に対抗するために必要であれば、欧州連合(EU)はさらなる措置を講じる用意がある、と強調した。2014年5月撮影(2016年 ロイター/Eric Vidal)
欧州委員会のユンケル委員長は13日、中国による鉄鋼製品のダンピング(不当廉売)行為に対抗するために必要であれば、欧州連合(EU)はさらなる措置を講じる用意がある、と強調した。欧州議会で述べた。
欧州委員会は2月、中国からの鉄鋼製品輸入について、3件の反ダンピング調査を開始した。また新たに2製品について関税を適用した。
ユンケル委員長は欧州議会で「中国産鉄鋼がダンピングに当たるのか現在調査中だ。必要な場合は一段の措置をとる」との姿勢を示した。
インド鉄鋼大手、タタ・スチールは先月末、英事業を売却する方針を表明した。売却の理由としては、コストの上昇や需要減退のほか、安価な中国産鉄鋼の輸入が急増していることを指摘していた。
ユンケル委員長は、世界最大級の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミタルを抱えるルクセンブルクの首相を19年務めた。