中国人の爆買い支える「代購」、政府が検査強化と増税で取り締まり
コンサルティング会社ベイン・アンド・ カンパニーの調査によれば、問題は昨年にかけて悪化しており、中国本土における高級品消費は2015年に2%減少。その一方で、中国人による海外消費は、日本で251%、欧州で31%、韓国で33%増加した。
主にインターネット上である平行市場は、従来の実店舗を追い出していると、仏ファッション誌「エル」中国版のエディトリアルディレクター代理のRoth Lai氏は、パリで開催された会議で指摘した。
「eコマース(電子商取引)は、中国で高級品市場の主な原動力となっている。だが経済構造の大転換が起きるまで、中国人はしばらくの間、海外で購入し続けると思う」と同氏は語った。
罰金と課税
「代購」と闘うため、中国政府は虚偽の申請に対する罰金を上げ、税関検査を強化した。空港では、当局者が高級品でいっぱいのスーツケースを持った中国人旅行者の摘発を強化し、税金を課している。
中国政府はまた、4月8日からインターネット経由の輸入品もしくは「代購」によって持ち込まれた製品に対し増税を行うとしている。
海外から注文された時計への関税は30%から60%に、宝石は10%から15%に引き上げられた。
「中国人の『代購』や、中国人観光客の海外消費に悪影響があるだろう」と、イグザーヌBNPパリバのアナリスト、ルカ・ソルカ氏は指摘する。
中国政府は、後押しするオンライン決済システムの銀聯(ユニオンペイ)カードの海外使用に対する制限も厳しくしている。1月時点で、海外での年間現金引き出し限度額は、カード1枚当たり10万元(約170万円)となっている。
(Farah Master記者、Astrid Wendlandt記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)