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爆買い中国人旅行客の高級品購入、3月は24%減 欧州市場で落ち込む
中国の景気減速に加え、パリとブリュッセルのテロの影響で欧州での消費が急減
4月15日、付加価値税(VAT)の還付業務を手掛けるグローバルブルーは、海外における中国人旅行客の3月の高級品購入額が前年同月比24%減少したと発表した。写真は香港で2015年3月撮影(2016年 ロイター/Bobby Yip)
付加価値税(VAT)の還付業務を手掛けるグローバルブルーは15日、海外における中国人旅行客の3月の高級品購入額が前年同月比24%減少したと発表した。月間ベースでの減少は統計を取り始めた2010年以来初めてで、過去最大という。
パリとブリュッセルで起きた連続爆破攻撃を受け、欧州を訪れる中国人旅行客が減少し、同地での消費額が35%急減したことが背景。逆に、欧州との価格差の縮小が中国国内での支出を押し上げた。
バークレイズのアナリストらは「価格比較が厳しくなる一方、同時多発攻撃や生体情報(バイオメトリクス)ビザの導入もあり、欧州での落ち込みにつながった。ただ、中国人による消費の全体的な伸びは世界的に減速しており、引き続き懸念される」と指摘した。
グローバルブルーがまとめたデータによると、旅行者全体の3月の高級品購入額は14%減少した。2月は4%増だった。数値には、VATの還付制度がない米国、香港、ドバイでの購入額は含まれていない。
高級ブランドのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)と、バーバリーは先週、旅行者による消費が欧州大陸で減少していると発表している。
カルティエやルイ・ヴィトンなど一部ブランド大手にとって、特定の欧州市場では、海外からの旅行客が顧客の半分以上を占める。
世界の高級品市場での中国人による消費は全体の3分の1近くに上る。
LVMHは、ブリュッセルとパリでの連続攻撃の後、「東洋(ロシアとアジア)から」欧州を訪れる旅行者の数が減少していると指摘。バーバリーは市場環境が厳しく、今後1年の収益に影響が出ると予想した。