米軍「航行の自由」作戦、昨年は中国など13カ国を対象に実施
同省の声明は、フィリピンに近い中沙諸島の黄岩島(同スカボロー礁)付近での最近の米軍機による飛行をめぐる報道を受けたものだ。黄岩島をめぐっては、2012年にフィリピンの沿岸警備隊とのにらみ合いの後、中国が実効支配を続けている。
米太平洋軍のハリー・ハリス司令官は今年に入り、米海軍による南シナ海での「航行の自由」作戦を強化する方針を示した。理由としては、中国が現地で軍事施設を建造し、実効支配を狙っているとの懸念を挙げている。
また、昨年行われた米軍の「航行の自由」作戦は、中国が主張する排他的経済水域(EEZ)上空の管轄権や、航空機の飛行を制限するため中国が設定した東シナ海上空の防空識別圏をけん制している。
米軍が昨年、同作戦を実施した対象国数は、過去10年以上で最大となった2014年の19カ国には及ばなかった。
イランとフィリピンは長年、最も頻繁に挑戦を受けてきた国だ。込み合う海上交通路にまたがって位置する両国が、交通路を制限したり、統制しようとしたことが主な理由になっている。
(David Alexander記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)