キャメロン最大の抵抗勢力は与党内のEU離脱派
フランスのマニュエル・バルス首相は今週、イギリスをはじめとした各国に対して「EUの個々の国の加盟条件を好き勝手に選ぶことはできない」と釘を指している。
仮に首脳会議で改革案が合意されても、実施内容は変更される可能性がある。いくつかの提案は、欧州議会で承認されなければならないからだ。欧州議会のマルティン・シュルツ議長は、提案によっては否決されるかもしれないと言う。「これは民主主義なので、どんな政府も欧州議会に対して結果を保証してくれとは要求できない」
最終的には、数カ月以内にも行われる予定の国民投票で英国民が離脱を支持するか否かでイギリスとEUの運命が決まるのことになるが、今の段階で躓くようなら残留は極めて難しくなるとみられている。
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キャメロンはEU首脳の説得と同時に、影響力のある国内の政治家たちが離脱派に傾かないよう目を配る必要もある。人気が高く影響力も強いロンドンのボリス・ジョンソン市長もその1人だ。今週、ジョンソンは首相官邸に呼ばれてキャメロンと会談したが、まだEU残留を支持するとは決めていないと報じられている。
「もしジョンソンがEU離脱を宣言したら、離脱派には大いに弾みがつく」と、ブレイディは言う。
キャメロンの最も頼もしい味方は国外にいる。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今週ドイツ議会で演説し、イギリスをEUに残留させることは「イギリスの国益だけでなく、ドイツそしてヨーロッパ全体の利益だ」と語っている。