ドイツ銀行に黄色信号?迫る不安定化の恐怖
2016年2月19日(金)17時00分
CoCo債が人気だったのは利回りが比較的高い上に、通常の債券と扱いは同じと考えられていたからだ。だが債券調査会社クレジットサイツのアナリストのサイモン・アダムソンは先日、ドイツ銀行が来年にもCoCo債などの利子を支払えなくなる可能性があると警告。最悪の場合、株式転換や元本の全額削減で、保有者に損失を肩代わりさせることもあり得る。
先週、ドイツ銀行が発行済み債券の一部買い戻しを検討していると報じられ、同行の株価は上向いた。だが買い戻しプログラムに、CoCo債は含まれないとみられている。
「利払いを停止する銀行が1行でも出れば、投資家はリスクを恐れてCoCo債を投げ売りし、社債市場ばかりか金融システムが不安定化する恐れがある」と、ブルームバーグの記事は指摘する。少なくとも、波乱含みの市場に新たな懸念材料が加わったことは確か。信頼性が高いはずのドイツまで危ういのだから。
[2016年2月23日号掲載]
今、あなたにオススメ
WorldVoice
PICK UP
新着