ポーランドの「プーチン化」に怯えるEU
ポーランドとドイツの亀裂
ポーランド政府のほうは、EUからの圧力に苛立ちを覚えている。内政干渉と見なしているのだ。うしたいがみ合いの最大の犠牲者はおそらく、対独関係だろう。
4年前、ポーランドのシコルスキ外相はドイツを「不可欠の国」と呼んだ。こうした好意的な姿勢はこれまで、ドイツのポーランドに対する不満を和らげるのに役立ってきた。
ドイツの政治家で欧州議会議員のマルティン・シュルツはポーランドの変わりようを「欧州政治における危険な『プーチン化現象』」だと言う。
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ドイツがポーランドに指図をしているという反感は、第2次大戦中の両国の歴史と重なって、さらにエスカレートする。右傾化したポーランドのメディアは、ドイツ政府を非難する際にしばしば、ナチスを引き合いに出してきた。ポーランドの人気雑誌『Wprost』の最近の号では、ナチスの制服を着たドイツ首相アンゲラ・メルケルが表紙を飾っている。
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ポーランドは右傾化しているのか?
ポーランドで共産主義が崩壊してから20年あまりが経った。ポーランド政府の動きは、一部のアナリストが考えているように、右傾化、あるいはソ連時代への回帰を示すものなのだろうか?
「PiS政権がやっていることは、ポーランドが共産主義国家だったときと同じ全体主義を目指しているように見える」と、コボスコは言う。「メディアや司法制度を政府が支配し、人々を愛国主義へと煽動する。これらは旧ソ連時代の政治の要素だった」
ポーランドがどこまで右傾化するのはわからない。PiSは、カトリック教会に深く根付いたEU懐疑派の保守政党だ。一方で、社会保障の拡大と、労働組合との連携を探るPiSの経済プログラムは左派的な政策に見えると、コボスコは指摘する。
「欧州全体で今後愛国主義、ポピュリズム、排外主義が勢いづいていくようだと、EUにおけるポーランドと似た者同士のハンガリーの発言力はますます強くなるだろう」と、コボスコは言う。
明らかなことは、ポーランドの取り扱いは非常に慎重でなければならないということだ。
The article first appeared on the Atlantic Council site.