「ユーロは意味を失う」、シェンゲン協定崩壊にEUが警鐘
だが同協議を数日後に控え、複数のEU高官は合意に至る段階ではないと明かした。EUとトルコの当局者によれば、資金提供や、長期間停滞しているトルコのEU加盟問題、トルコ国民がEU渡航の際に査証(ビザ)が免除される措置の早期導入といったことはすべて解決していないという。
メルケルさん、助けて
今年、中東やアフリカから何十万人もの難民を受け入れるドイツのメルケル首相はシェンゲン協定について、EU加盟国が永久的かつ強制的な難民受け入れ分担システムを認めない限り、崩壊しかねないと懸念を示した。
メルケル首相は24日、ドイツが受け入れる難民の数を制限するよう求める、自身が率いる保守勢力からの高まる圧力を一蹴。欧州が国境を制御できないのならば、難民流入を抑制しようとするドイツの試みは無意味だと主張した。
ギリシャ北部イドメニでは、イラン人の難民グループがハンガーストライキを実施。その多くが倒れる寸前だった。彼らは雨の中、上半身裸で線路上に座り込んだ。
その近くでは、マケドニアの国境警備隊と対峙(たいじ)する200─300人ほどのアルジェリア人やモロッコ人が「メルケルさん、私たちを助けてください」と繰り返し叫んでいた。
ギリシャ・マケドニア国境の通過を阻止されたソマリア人のモハメド・メルカさんは、ロイターに対し「私たちは人間だ。戦争を逃れてきた。私たちが戦場に戻ることが彼らの望みならば、戦場まで運んでいけばいい」と語った。
「だが、戻る方法などない。死ぬだけだ。私たちがここで死ぬことを彼らが望むなら、私たちはそうするだろう。生まれてからずっと、難民だった。平和な世の中を見たことなどない」