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虐待の定義を変えるサウジ家政婦の現実

2015年11月10日(火)16時00分
ロスナ・ベグム(人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ研究者)

 家政婦が虐待を訴えても、雇い主が起訴されたり有罪判決を受けたりすることはまれだ。人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査では、サウジ当局は警察の取り調べや裁判中に、家政婦が通訳や弁護士を確保できる体制を整えていない。

 そのうえ当局は、裁判が決着するまで彼らの労働を禁じている。解決には数年かかることもある。雇い主が難癖をつけて逆提訴する場合もあり、そうなると大抵、家政婦は訴えを取り下げる羽目に追い込まれる。

 出稼ぎ労働者の悲惨な状況を変えるには、カファラのシステムを変革する必要がある。同時に、外国人労働者を道具のように扱う雇い主の意識も変える必要があるだろう。

[2015年11月10日号掲載]

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