最新記事

世界情勢入門

【地図で読む】18歳以下の「子供兵士」は世界に約25万人いる

2015年11月3日(火)17時05分

 世界レベルでは、やるべきことがまだたくさん残っている。たとえば子供たちの就労問題だ。ユニセフによると、5歳から14 歳の子供の2億5000 万人、つまり世界で4人に1人の子供が、一般的に見て受け入れがたい条件で働かされている。畑仕事や鉱山、作業所に雇われ、また使用人や兵士としてこき使われて、肉体的・精神的発達や感情面のバランスに害を与えるほどの仕事をさせられているのである。これに対し、国際的な組織や団体が政府に圧力をかけ、子供たちの基本的な権利を守らせるようにしている。

子供は大人と同じと見てはいけない

 子供は人間として成長過程にあるので、大人より傷つきやすく、司法が定める年齢に適合した権利の恩恵を受けなければならない。「子供の権利条約」では、子供が法律を犯した場合はその年齢を考慮し、社会に復帰させるようにしなければならないと明記している。

子供使用人たちの地獄

 ハイチ[中央アメリカ・西インド諸島の国]では、7万人以上の子供たちが使用人として雇われている。多くは農村出身の貧しい家の子である。現実の生活は悲惨だ。その1人アンドレは、自分の本当の名前も年齢も知らない。小さいときに母親を亡くし、父親が彼の世話をできなかったことから、ある家の使用人として働かされることになった。そこで辛い家事をさせられ、お金はもらえず、床にじかに寝かせられていたのだが、怖くてどんな扱いを受けていたかは誰にも話せないでいた。その後、アンドレはこの家から逃げ出したのだが、自分がどんな生活をしていたのかを話すのに苦労した。


知っていましたか?
フランスでは1994 年以来、年に1日だけ国民議会が子供議会に変わる。これまで子供代議士によって可決された四つの提案が、大人の国民議会で可決されて法律になっている。

※第3回【地図で読む】国際的な移民の数は世界人口の3%にすぎない:はこちら

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ヒズボラ停戦承認巡り26日閣議 合意間

ワールド

独社民党、ショルツ氏を首相候補指名 全会一致で決定

ワールド

トランプ氏の高関税案、ディスインフレもたらす可能性

ワールド

NATO高官、企業に「戦時シナリオ」への備え要請 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 7
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 8
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 9
    またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解け…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中