幼児の溺死写真が大きな波紋、難民流入問題でEU協議へ
トルコの人気リゾートの砂浜で溺死体で発見された幼児が、EUの難民対策を変えるか──
9月2日、地中海を渡って欧州を目指す難民の問題が深刻化するなか、ソーシャルメディア上では、トルコのリゾート地の砂浜で横たわる溺死した幼児の写真が大きな波紋を呼んでいる。写真はギリシャに向かう難民を乗せたボート。8月撮影(2015年 ロイター/Murad Sezer)
[アンカラ(トルコ)/ローマ/ブダペスト/カレー(フランス) 2日 ロイター] - 地中海を渡って欧州を目指す難民の問題が深刻化するなか、ソーシャルメディア上では2日、トルコのリゾート地の砂浜で横たわる溺死した幼児の写真が大きな波紋を呼んでいる。
写真は同日、トルコの観光地ボドルム近郊の砂浜で撮影されたもので、赤いシャツを着た小さな男の子が波打ち際にうつぶせで横たわっている姿が写っている。別の写真では、険しい表情の警察官が小さな遺体を運んでいる。写真はツイッター上で#KiyiyaVuranInsanlikのハシュタグで直ちに拡散された。
ボドルムでは、ギリシャのコス島を目指していたシリア人とみられる難民少なくとも12人の死亡が確認された。同国の海軍高官によると、そのうち5人が子ども、1人が女性だという。計23人を乗せたボート2隻がそれぞれボドルムを出発していた。
トルコの地元メディアは、溺死した幼児はボートに乗っていた3歳児だったと報じた。5歳の兄も死亡したという。
トルコ軍は過去数日間で、捜索救助隊がトルコ・ギリシャ間の海域で数百人の難民を救出したとしている。
一方、イタリア、フランス、ドイツの3カ国は2日、欧州連合(EU)の既存の難民認定制度の見直しを求めるとともに、難民の受け入れをEU内で公平に分担すべきとの考えで一致した。
イタリア外務省が発表した共同文書によると、3カ国は既存のルールには「明らかに限界や問題点がある」とし、現在の制度を見直す必要があると指摘。大量に流入する難民について、断固とした対応が必要との認識を示した。その上で、4─5日のEU外相会合でこの問題を協議することを求めた。