負担増警戒するドイツ、捨て切れぬ「欧州統合」の夢
2015年8月3日(月)17時04分
評議会メンバーの1人は記者団に対し「通貨同盟では基本ルールの順守が重要。メンバー国の離脱をタブーとすべきではない」と語った。
一方、ドイツ財務省などでは、独創的な考えも生まれている。熱心な欧州統合派のショイブレ財務相は「デア・シュピーゲル誌」で、ユーロ圏に独自の予算を持たせ、独自の財務相を置く構想に理解を示した。
これは、ユーロ圏議会の創設など、ユーロ圏のより強力な経済運営の仕組みを作ることを主張している、フランスなどの考えと一致する。
メルケル首相は今のところ、ユーロ圏議会や独自予算をめぐる議論には賛否を表明していない。ユーロ圏のガバナンス強化については、ユンケル欧州委員長やその他EU機関のトップが報告書を提出することになっており、10月のEU首脳会議で議論される見通しだ。この議論を通じて明確になるであろうメルケル首相の見解が注目される。
(Paul Taylor記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦)
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