イラン核協議、再延長でも見えない出口
2014年12月4日(木)14時52分
イランでも以前から強硬派が反発を強めている。彼らは、ロウハニ大統領とザリフ外相が制裁緩和と引き換えに国益を売り渡そうとしていると非難。最終的な合意に至ったとしても、最高指導者ハメネイ師が認めるかどうかは不透明だ。
ロウハニは昨年8月、欧米との関係を改善して経済成長を図ると約束して、大統領に就任した。しかしその約束はほとんど果たされていない。
イランは16年に国会と専門家会議の2つの選挙を控えている。専門家会議は75歳と高齢のハメネイ師の後継者を選出する重大な権限を持つ。どちらの選挙も保守強硬派が勢力を伸ばすとみられ、制裁解除のためとはいえ、ロウハニ政権が欧米と妥協する余地は狭まりつつある。
そう考えると、交渉がひとまず続いていることは好ましいのかもしれない。ただし、永遠に続けられるわけではない。ついに時間切れとなった後は、あっと言う間に恐ろしい坂を転げ落ちるだろう。
© 2014, Slate
[2014年12月 9日号掲載]
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