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猫背の人は身も心も損している

2014年8月19日(火)15時14分
スーザン・スカッティ

記憶
 
 ペーパーは、姿勢によって思い出す記憶の内容が変わり得ることも発見した。背中を丸めて下を向いて座っていると、無力感をひしひし感じるような暗い出来事を思い出しやすくなり、背筋を伸ばし上を向いて座っていると、元気になるような明るい記憶ばかりが頭に浮かぶ傾向があるという。

自信

 オハイオ州立大学では09年、学生71人を2つのグループに分けて異なる姿勢を取らせ、アンケートに答えさせるという実験を行った。その結果、背筋を伸ばしていた学生たちは内容のいかんを問わず自分の考えに自信を持っていたが、前かがみに座っていた学生は自分の意見に確信が持てなかった。

つまり、背筋を伸ばすことは自己評価を高める効果があるということだ。

消化

 いい姿勢は消化器を支える体の奥の筋肉を鍛えることにもつながる。専門家によれば、前かがみの姿勢は胃酸の逆流や便秘、ヘルニアなど消化器トラブルの要因となる可能性がある。

頭痛

 イタリアでは08年、公務員340人以上を2つのグループに分け、片方には正しい姿勢の利点を教えた上で、首や肩が凝らないように2〜3時間おきに姿勢を伸ばす体操をするよう促すという実験が行われた。8カ月後、体操をしたグループはそうでないグループに比べて頭痛が41%、首や肩の痛みが43%、鎮痛剤の使用が51%少なくなったという。

[2014年8月 5日号掲載]

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