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ウイルス感染ギニア国境を越えたエボラ出血熱の恐怖
これまでは僻地で発生し、隣りの村に感染する前に患者が死んでしまったが、今度は人口が密集する都市で流行している
触れてはいけない 医療スタッフが使った手袋を天日干しで殺菌する Umaru Fofana-Reuters
西アフリカのギニアで、エボラ出血熱の感染が拡大。先週末時点で死者数は80人を超えた。
致死率が90%にも達するエボラ出血熱は、過去にコンゴ(旧ザイール)やウガンダの都市部で大流行し、数百人の死者を出した。激痛や出血、嘔吐に苦しむが、治療薬はない。ただ発生地は人口の少ない僻地が多く、血液や分泌液などに直接触れない限り感染しないため、感染者を隔離すれば拡大は防げた。
だからこそ今回のギニアのケースは看過すべきではない。既に人口165万の首都コナクリまで達し、国境を越えてリベリアやシエラレオネでも感染(や疑い)が確認されている。発生地のギニア南東部はこれまでエボラ出血熱と無縁だった地域であるため、医療従事者の経験不足も懸念材料だ。
セネガルはギニアとの国境を封鎖し、サウジアラビアはリベリアとギニアからの巡礼者ビザの発行を停止。ギニア政府はエボラ出血熱の自然宿主とされるコウモリを食することを禁じた。
コナクリで活動する人道支援団体、国境なき医師団は「これほどの感染拡大は見たことがない」という。
From GlobalPost.com特約
[2014年7月15日号掲載]