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平和天国? 地獄? 新しいソマリア・リゾート
イスラム過激派の追放後、首都モガディシュは「インド洋の楽園」として再出発したが
風光明媚 映画『ブラック・ホーク・ダウン』に描かれたモガディシュとは別世界 Ismail Taxta-Reuters
「世界で最も危険な都市」の一つと長年恐れられたソマリアの首都モガディシュが、イメージを一新しようとしている。インド洋の楽園として、だ。
この数カ月間にモガディシュの海岸を訪れた外国人記者たちは、モガディシュの海の美しさや活きのいいロブスターをほめちぎってきた。レストランやホテルを始めた起業家もいる。
モガディシュのある地区は、「立入危険区域」から「見逃せない観光スポット」に生まれ変わったと、この地区の新しいレストランを紹介するAP通信の記事はいう(ただし客はセキュリティ・チェックを受けなければならないし、店内には武装したボディーガードがいる)。「そばにあるラウンジの長椅子では、海水浴に来た男性が日光浴。全身を覆う水着姿て海に飛び込むイスラム教徒の女性もいる。メニューにはアイスクリームやシーフード、水パイプなどが並び、ないのは政府に禁止されたアルコールだけだ」
アルカイダとつながりのあるイスラム過激派組織「アルシャバブ」は昨年、政府軍とアフリカ連合(AU)軍部隊の反攻でモガディシュから追放された。
数十年もの内戦の間に世界に散ったソマリア難民も帰国し始めた。隣国ケニアに避難していた外国の大使館や国連職員も同様だという。
先週末には、アメリカのアフリカ担当国務次官補ジョニー・カーソンもモガディシュを訪問した。1993年、米軍が戦闘ヘリ2機と18人の兵士を失う大失態を演じ『ブラックホーク・ダウン』という映画にもなった戦闘以来、最も位の高い政権幹部だ。
実際は、外国記者たちが興奮するほどの楽園とはまだ言えない。多くの建物は銃弾でハチの巣にされ、あるいは爆弾で瓦礫と化したままだ。自爆テロもあるし道路脇には爆弾も仕掛けられている。
3月には、閉鎖されていた国立劇場も20年ぶりに再開した。だが数週間後、アルシャバブとつながりのある民兵たちの自爆テロで8人の死者が出た。
だが、ソマリア政府の広報担当者アブディラマン・オマール・オスマンは楽観的だ。今のモガディシュは、イラクのバグダッドやアフガニスタンのカブールよりは安全になったし、観光客誘致のため観光大臣も任命するかもしれないという。