「メタボ食品税」で肥満にペナルティ
国民の半数以上がメタボ食品税に賛成
ハンガリー心臓協会のナギー会長は、メタボ食品税を「組織として歓迎している」と語り、脂肪分や塩分、糖分が多い食品も食べすぎなければ健康に害はないという食品業界の主張を批判した。「スーパーに行けば何が健康的で何がそうでないか一目でわかるのに、食品業界は話を複雑にしようとしている」
フィデス・ハンガリー市民連盟に近いシンクタンクが今週行った世論調査では、国民の54%が肥満税の導入に賛成しているという。
この程度の増税では人々の購買行動は変わらないとの指摘もあるが、チバはそうした声を一蹴する。「ハンガリー人の給与の少なさを考えれば、この税率は低くない。国民が健康的な代替食品を選ばないかぎり、膨大な税収が入る」
ハンガリー人はすでに、家計収入の17%を食品に費やしている(アメリカ人の2倍以上の割合だ)。消費税率が欧州で最も高い水準にあるうえに、乳製品とパンを除く大半の食品や飲料に25%の食品税が別途かかる。国民の肥満率は20%で、アメリカの30%より低い。
ハンガリーがこのまま包括的なメタボ食品税を導入することになれば、世界でも初めての試みとなる。ルーマニアは以前に食品全般に追加課税をし、年間7億ユーロを徴収する計画を検討したが、食品価格の急騰を受けて今年3月に見送りを発表した。ちなみに、ルーマニアの平均的な世帯では家計収入の4割近くが食品に費やしており、肥満は人口のわずか8%だ。