最新記事

アフリカ

コートジボワールから始まる選挙革命

2011年4月13日(水)17時13分
アンドルー・メルドラム

 しかし、アフリカの民主主義がまだ不完全であることは間違いない。

 08年の大統領選でジョン・アッタ・ミルズが僅差で与党候補を破ったガーナをはじめ、平和的に国のトップや政権与党が交代した例はある。ガーナの民主的な選挙は画期的で、アフリカの選挙制度の転機となりうるものだった。

 もちろん悪い例もたくさんある。ジンバブエのロバート・ムガベ大統領はこれまで、暴力と不正投票によって選挙結果を操作し続けてきた。最悪なことに、南アフリカなどの周辺国もムガベの犯罪を許してきた。ジンバブエでは今年、新憲法についての国民投票が予定されているというのに、ムガベは草案作りを妨害している。87歳になってついに老いを見せ始めているらしいムガベだが、与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」の権力を維持すべく、13年の大統領選で6期目を狙うつもりのようだ。

 アフリカ最大の人口と経済を誇るナイジェリアでは過去の不正と決別し、信頼できる選挙を実施すべく与野党が協力し始めた。4月9日には議会選が行われ、その後、大統領選、州知事選と続くが、これまでに投票は2度延期され、爆弾テロも起きるなど前途は多難だ。それでも多くの国民は希望を抱いている。これら選挙を通して、ナイジェリアの民主主義はもっと強固なものになる、と。

GlobalPost.com 特約)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

都区部コアCPI、1月は+2.5%に伸び拡大 生鮮

ビジネス

失業率12月は2.4%に改善、就業者増加 求人倍率

ビジネス

日経平均は小幅続伸で寄り付く、米株高を好感 ハイテ

ビジネス

米ビザ10─12月期、利益が予想上回る 年末消費が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中