コートジボワールから始まる選挙革命
しかし、アフリカの民主主義がまだ不完全であることは間違いない。
08年の大統領選でジョン・アッタ・ミルズが僅差で与党候補を破ったガーナをはじめ、平和的に国のトップや政権与党が交代した例はある。ガーナの民主的な選挙は画期的で、アフリカの選挙制度の転機となりうるものだった。
もちろん悪い例もたくさんある。ジンバブエのロバート・ムガベ大統領はこれまで、暴力と不正投票によって選挙結果を操作し続けてきた。最悪なことに、南アフリカなどの周辺国もムガベの犯罪を許してきた。ジンバブエでは今年、新憲法についての国民投票が予定されているというのに、ムガベは草案作りを妨害している。87歳になってついに老いを見せ始めているらしいムガベだが、与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」の権力を維持すべく、13年の大統領選で6期目を狙うつもりのようだ。
アフリカ最大の人口と経済を誇るナイジェリアでは過去の不正と決別し、信頼できる選挙を実施すべく与野党が協力し始めた。4月9日には議会選が行われ、その後、大統領選、州知事選と続くが、これまでに投票は2度延期され、爆弾テロも起きるなど前途は多難だ。それでも多くの国民は希望を抱いている。これら選挙を通して、ナイジェリアの民主主義はもっと強固なものになる、と。
(GlobalPost.com 特約)