30年前ダイアナに託した夢が遂に叶う
結婚式へのカウントダウンが進む中、ビッグイベントに付き物のドタバタも起きている。ロンドン各地で、この機に乗じた小規模のデモが勃発。王室支持派の新聞各紙は、2人の結婚を祝して乾杯するよう読者に呼びかける一方で、結婚式の費用をめぐって批判を繰り広げている。
デービッド・キャメロン英首相は、上流気取りの印象を与えたくないという政治的な思惑のため、フォーマルなモーニングでなくビジネススーツで結婚式に出席する方針を明かした。だが、キャメロン率いる保守党を支持するメディアがこぞって訴えたように、そもそもキャメロンは上流階級の人間だ。結局、彼はモーニングで列席することになった。
チャールズを飛ばしてウィリアムに、と世論
世界大恐慌のとき以来の深刻な緊縮財政の渦中にあるイギリス国民は、大英帝国に今も「偉大」なものが存在することを示せる今回のウエディングを歓迎しているようだ。英王室が世界に対して抜群のアピール力をもつことを国民は理解している。当然ながら、ロイヤルウエディングに乗じて関連グッズを売り込む動きも過熱している。
母親そっくりのウィリアム王子への支持も高まっている。ダイアナが亡くなった当時、ウィリアムは父親のチャールズ皇太子をはるかに凌ぐ絶大な人気を集めていた。
折りしも先週、チャールズの皇太子在任期間が史上最長を記録。彼は59年と2カ月間も王位継承の日を待ち続けているが、エリザベス女王の優れた健康状態を考えれば、待ち時間はさらに長く続くと思われる。それでも世論調査では、チャールズを飛ばしてウィリアムに直接、王位を継承すべきだという声は根強い。
ウィリアムの国王就任の現実味も以前より高まっている。「王室が長期的に存続することへの肯定的な見方が増えている」と、ブーンは言う。「100年後に王室があると思うかという質問にイエスと答える人が、かつてないほど多い」
これぞ、30年前の仲人たちが夢見たシナリオだ。