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ウィキリークス窮地のアサンジ「性的暴行」の中身
スウェーデン検察に引き渡されれば、アサンジが最も恐れるアメリカに移送され死刑判決を受ける恐れもあるが
追われる身 スウェーデン行きを逃れるためロンドンの裁判所に表れたアサンジ Andrew Winning-Reuters
内部告発サイト、ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジが、スウェーデンの非公開裁判で裁かれるかもしれない----。同国での性的暴行容疑で昨年12月にイギリスで逮捕され、現在は保釈中のアサンジの身柄引き渡しをめぐる審理が、2月7日からロンドンの裁判所で始まった。
スウェーデンでは通常、性的暴行容疑の裁判は非公開。そのため、スウェーデンへ移送されれば「開かれた司法の場」で裁かれる権利が侵害されると、アサンジの弁護士ジェフリー・ロバートソンは訴えた。
傍聴席には、人権活動家でミック・ジャガーの元妻であるビアンカ・ジャガーや、大富豪の娘ジェミマ・カーンなど、アサンジを支持する有名人たちも集まり、身柄引き渡しへの反対を表明した。
一方、スウェーデン検察側のクレア・モンゴメリー勅選法廷弁護士は、検察当局がアサンジを性的暴行の容疑で起訴する方針だと認めた。「逮捕は明らかに起訴を目的としたものだ」と述べた(スウェーデン検察幹部のマリアンヌ・ナイはこれまで、アサンジに対しては事情聴取を行うだけだと語っていた)。
アサンジの弁護団側は、起訴されていない以上、身柄の引渡し要求は受け入れられないと訴える見通しだ。
被害者女性の生々しい供述も
アサンジ本人は、身柄の引渡し要求には政治的な意図があると主張。ウィキリークスが米政府の公電やイラク戦争、アフガニスタン戦争に関する機密書類を暴露したことで、アサンジはアメリカでもさまざまな捜査対象になっている。弁護団側は、自分たちの陳述をネットで全面公開するという特殊な戦術を取っている。
2日間に及ぶ審理の結果は、今月中に言い渡される予定だ。判決に不服があれば、アサンジはイギリスの最高裁まで上訴できる。弁護団は、いったんスウェーデンに引き渡されれば、そこからアメリカへ送られる恐れがあり、そうなれば死刑判決を受ける可能性もあるとしている。
AFP通信によれば、警察の捜査書類には被害者とされる女性の供述もある。「Wさん」と記されたその女性は問題の夜、アサンジと合意の上でセックスをしてから一緒に眠ったが、その後で「無理やり挿入されて目が覚めた」と書かれているという。
「彼女がすぐ『(避妊具を)ちゃんと着けたの?』と聞くと、アサンジは『君を着けたよ』と答えた」と書類は続く。「女性が『まさかエイズにかかっていないでしょうね』と言うと、アサンジは『もちろん違う』と答えた」。その後、女性はアサンジに身を任せたらしい。
書類には、もう1人の被害者が提出したコンドームの検査結果もある。この女性はアサンジが故意にコンドームを破ったと主張しているが、検査結果によるとコンドームをはさみやナイフで切った形跡はなかった。
果たしてアサンジは、スウェーデンに引き渡されるのか。イギリスの裁判所の判断に世界の注目が集まっている。
(GlobalPost.com特約)