いつ北朝鮮攻撃に踏み切るのか悩む韓国
今回のような軍事挑発の初期段階で、空母ジョージ・ワシントンを派遣する必要はない。韓国側は、まず迫撃砲や戦闘機を使って北朝鮮の補給ポイントや砲台、港湾施設を攻撃すればいい。北朝鮮軍の艦船が攻撃してきたら、その艦船だけでなく出撃した海軍基地も爆撃の対象とするのだ。
哨戒艦沈没事件では、誰もここまでの報復を考えなかった。官僚も政治家も危機に縮み上がった。北朝鮮は、2000万人が暮らすソウル都市圏を攻撃するのではないか? それとも軍事境界線に近い都市や韓国側の警備所か? その時、韓国はどう対応すべきか? 米軍はいつ戦闘に参加するだろう?
そうした問いに答えるには、アメリカと韓国は「越えてはならない一線」を決める必要がある。そこを超えたら、北朝鮮が奇襲攻撃を仕掛け、勝利を宣言して逃げ帰るようなことは許さないのだ。韓国と周辺地域の主権を守るため、米韓は北朝鮮との対決に備えなければならない。
たとえ北朝鮮が核兵器を手にしても、米軍や韓国軍が非難声明や軍事演習以上のもので「偶発的攻撃」に応酬し、さらなる挑発を阻止するのは難しくないはずだ。
(筆者は、『裏切られた韓国:金大中と太陽政策』の著者)
(GlobalPost.com特約)