ニュース速報
ワールド

中国国営メディア、アップルなど米企業を称賛 貿易摩擦再燃懸念の中

2024年11月28日(木)14時51分

中国の国営メディアでは、アップルやテスラなど米国の一部企業との「強固な連携」をたたえる報道が増加している。イラスト写真は中国と米国の国旗。(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

[北京 28日 ロイター] - 中国の国営メディアでは、アップルやテスラなど米国の一部企業との「強固な連携」をたたえる報道が増加している。トランプ米政権復活で貿易紛争の再燃が懸念される中、中国側に1期目のような対立激化を避けたい思惑がうかがえる。

トランプ次期米大統領は25日、米国で医療用麻薬オピオイド蔓延の原因となっている中国製化学物質の流入を止めるため、中国製品に追加で10%の関税を課すと表明した。選挙戦では、中国製品に60%を超える関税を課すと警告したこともある。

トランプ政権1期目に企業幹部や外国人投資家は、貿易摩擦が激化する中でどの米企業がメリットを受け、どの企業が打撃を受けるか判断するヒントを求めて中国国営メディアを精査した。

国営メディアの環球時報は27日、アップルやテスラのほか、スターバックス、HPを中国のパートナーと強固な連携を築いている企業として称賛。

「米国の政治家は、企業にとって適切な政策環境を整えて経済貿易協力を進めようとする米企業の取り組みに注目し、尊重する必要がある」と伝えた。

またチャイナ・デイリーは、モルガン・スタンレーが3月に中国事業の拡大について規制当局の承認を受けており、これは外国金融機関の中国投資への熱意の証拠だと報じた。

トランプ氏の最初の任期中、中国当局は貿易紛争について公式にコメントすることはあまりなかった。

中国政府はトランプ氏が表明した10%の関税について直接はコメントしていないものの、ワシントンの中国大使館関係者は貿易戦争に勝者はいないと述べている。

上海の米商工会議所が9月に実施した調査によると、今後5年間の中国事業の見通しについて楽観的な見通しを示した米国企業はわずか47%だった。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

24年度市中向け国債173兆円台半ばに増額、利付債

ワールド

アングル:イスラエル、ヒズボラと停戦でもガザでの合

ビジネス

ECB総裁、貿易戦争は「誰の利益にもならず」=FT

ワールド

インドネシア地方選、大統領派が勝利へ ジャカルタは
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 10
    谷間が丸出し、下は穿かず? 母になったヘイリー・ビ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中