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インドネシア地方選、大統領派が勝利へ ジャカルタは野党リード

2024年11月28日(木)16時43分

 11月28日、27日に投票が行われたインドネシアの地方選挙では、ジャカルタを除く主要地域で、プラボウォ大統領(写真)が支援する候補者の多くが当選する見通しとなった。写真は14日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されたペルーの首都リマで撮影(2024年 ロイター/Agustin Marcarian)

Ananda Teresia

[ジャカルタ 28日 ロイター] - 27日に投票が行われたインドネシアの地方選挙では、ジャカルタを除く主要地域で、プラボウォ大統領が支援する候補者の多くが当選する見通しとなった。

アナリストの間でプラボウォ氏が政策を実行しやすくなるとの見方が強まっている。

地方選は37地方、93都市、415地区で行われた。正式な結果は11月30日から12月15日の間に発表されるが、独立系世論調査機関が独自の集計結果を公表している。

これによると、中部ジャワ州、西ジャワ州、東ジャワ州など大半の主要地域ではプラボウォ氏の幅広い連合が支持する候補が勝利。勝利した候補の一部はジョコ前大統領の支持も受けていた。

ISEASユソフ・イシャク研究所のヤヌアル・ヌグロホ客員上級研究員は「プラボウォ氏とジョコ氏の勝利だ。ただ、ジャカルタでは敗北した」とした上で「プラボウォ氏の政策を実行に移すのはこうした地方の指導者だ」と述べた。

中部ジャワ州、西ジャワ州、東ジャワ州は人口が特に多く、極めて重要な地域とみられている。一方、首都ジャカルタは大統領選出馬の足がかりとなりうる。

ジャカルタでは野党・闘争民主党(PDIP)が支持する知事・副知事候補が49.49─51.1%の票を獲得。ジャカルタでは過半数の票を獲得した候補がいない場合、決選投票が行われる。

選挙アナリストのティティ・アンググライニ氏は、プラボウォ氏が選挙公約をスムーズに実行できる環境が整うと指摘。2029年大統領選の再選に向けた基盤づくりに着手する余地が生まれると述べた。

ヤヌアル氏も、プラボウォ氏が給食無料化、貧困撲滅、食料自給自足といった政策を実行しやすくなるとの見方を示した。

プラボウォ氏は今年の大統領選で圧勝し、先月、大統領に就任。国会を構成する8政党のうち7政党から支持を得ている。

ロイター
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