最新記事
栄養

美肌効果のある「カロテノイド」とは?...抗酸化・抗炎症作用は「赤い色素」だけではなかった【栄養の科学】

2024年11月28日(木)15時00分
ハティ・ウィルモス
緑黄色野菜

GERENME/ISTOCK

<体が欲しているのは「赤い色素」よりも「抗酸化・抗炎症作用」。緑黄色野菜が持つ本当の効果について>

世にニンジン嫌いの人は多いが、ニンジンやトマトに代表される緑黄色野菜にはカロテノイドと呼ばれるオレンジ系の色素が豊富に含まれており、日常的に食べていると黄金色に輝く健康的な肌になれるといわれる。

ニンジンのベータカロテン、トマトのリコピンはカロテノイドの代表格で、その鮮やかな色は確かに黄金の輝きを連想させる。

だが栄養セラピストのケイト・テイラーに言わせると、そうした食材の鮮やかな色と美肌効果を直結させるのは間違い。


「カロテノイドを含む果物や野菜を日常的に食べていれば肌が健康的で美しくなるのは事実だが、それは(色素ではなく)カロテノイドの持つ抗酸化作用や抗炎症作用のおかげだ」

ちなみにカロテノイドが豊富な食品にはカボチャやサツマイモ、ホウレンソウやケールなどもあり、全てのカロテノイドがオレンジ色というわけではない。

魚介類や海藻類に含まれるアスタキサンチンもカロテノイドの仲間で、リコピンと同様に美肌効果を期待できる。

【参考文献】
Foo, Y. Z., Rhodes, G., Simmons, L. W. (2017). The carotenoid beta-carotene enhances facial color, attractiveness and perceived health, but not actual health, in humans, Behavioral Ecology 28(2).
Stephen, I. D., Coetzee, V., Perrett, D. I. (2011). Carotenoid and melanin pigment coloration affect perceived human health, Evolution and Human Behavior 32(3).
Perrett, D. I., Talamas, S. N., Cairns, P., Henderson, A. J. (2020). Skin Color Cues to Human Health: Carotenoids, Aerobic Fitness, and Body Fat, Frontiers Psychology 11.

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

先行きの利上げペース、「数カ月に一回」の声も=日銀

ワールド

米大統領とイスラエル首相、ガザ計画の次の段階を協議

ワールド

中国軍、30日に台湾周辺で実弾射撃訓練 戦闘即応態

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、主力株の一角軟調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中