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米中友好関係はもう終わりなのか

2010年11月1日(月)16時48分
マイケル・フリードマン

「中国が人民元レートの設定を市場に委ねれば、アメリカの製造業が息を吹き返し、100万人分の雇用が生まれる」。そんな議論が高まるなか、米下院歳入委員会は9月24日に人民元切り上げ圧力を高める対中制裁法案を採択した。

 中国の国内政治も大きな転換期を迎えている。12年に開かれる共産党の第18回全国代表大会で、次期指導部の顔触れが決まる。党大会をにらんで、今の指導層は「強硬なナショナリズム路線」を打ち出していると、メツルは指摘する。中国には対米強硬路線を取るよう政府に声高な圧力をかける熱狂的なネット市民が何百万人もいる。

 カーネギー国際平和財団の中国研究者ダグラス・パールによると、中国政府はこれまで外向けには「思慮深い慎重さ」を貫き、国内の批判分子に対しては毅然とした態度を示してきた。今後もそうした姿勢を取り続けるかどうかは大いに疑問だが、1つだけ確かなことがある。世界で最も重要な2国間関係が、今後ますます厄介で先行きの暗いものになるらしいということだ。

[2010年10月 6日号掲載]

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