イラン核問題は新興国に任せて?
2010年7月2日(金)12時44分
今後も苦い思いを味わう
約4年を費やして対イラン追加制裁に同意するよう中国とロシアを説得してきた欧米諸国は、明らかに不意を突かれた。イギリスやフランス、ドイツはIAEA案を受け入れるよう交渉してきたが、イランが昨年末に拒否した段階で失敗に終わっている。
そんななか、華やかに登場してきたのが、ブラジルとトルコだ。イランは信頼できる交渉相手を得てほくそ笑んでいるに違いない。
アメリカは国連安保理に追加制裁決議案を提出するに当たり中国とロシアの合意は何とか取り付けた。しかしトルコやブラジルの反対で協議は難航が予想される。
アメリカは今後もこうした苦い思いを味わうことになるだろう。6月26日からカナダのトロントで行われる20カ国・地域(G20)首脳会合でも、新興国の台頭を思い知らされるはずだ。アメリカが不可欠な存在であることは変わらない。だがその影響力が絶大だった時代はもう終わった。
(GlobalPost.com特約)
[2010年6月 2日号掲載]
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