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北朝鮮「デノミ処刑」は将軍様後継の尻拭い
昨年11月に北朝鮮で実施されたデノミ(通貨単位の切り下げ)の失敗は、ちょっとした体制批判でも強制収容所送りになるような社会で、暴動さえも引き起こしそうになった。
3月に前計画財政部長がデノミ失敗の責任を問われて金正日(キム・ジョンイル)総書記に処刑されたと報じられると、専門家の間ではついに独裁者も国内世論に押されるほど弱体化したかとの見方が広がった。
だが実は、世論に左右されたのではなく、朝鮮労働党の忠実な官僚、朴南基(パク・ナムギ)前計画財政部長をスケープゴートにして、世襲政権の結束を固めるための残忍なやり方だった可能性がある。
実はジョンウンのアイデアだった
党内の情報によれば、通貨ウォンを2桁削ってインフレを激化させ、失敗に終わった改革は、実際は金正日の後継者とみられる27歳の金ジョンウンの仕事だったという。朴を非難して処刑することで、金は始動間もないジョンウンのキャリアについた汚点を拭い去ろうとしたと、ピーターソン国際経済研究所の副所長マーカス・ノーランドは言う。息子の昇進を円滑に行うため、金は彼の誕生日を国民の休日にし、国民が子供にジョンウンと名付けることを禁止した。
こんなジョンウンが政権を引き継いでも、父親時代と同様に厳しい国家運営になることだろう。
[2010年4月 7日号掲載]