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1歳の被告が哺乳瓶抱え出廷 こんなことがアメリカで実際に起きている
一方、1歳の被告を目の前にしたジョン・W・リチャードソン判事は戸惑った。ヨハンの代理人に向かって「わずか1歳の男の子が移民法を理解できると思わないし、理解しているかどうかを聞かなければならないことに恥ずかしさを覚える」と話した。
結果、ヨハンは任意退去を求められ、政府の責任でホンジュラスの家族の元まで送り届けられることが決まった。同州で移民に無償で法的援助をする「フローレンス・プロジェクト」の代理人によると、両親はともにホンジュラスで息子の帰りを待ちわびている。
親との再会を待つ子供は数百人
この一件を受けて評論家たちは、まだ年端もいかないオムツを履いた子供達に親の付き添いなしで裁判所に出廷させ、退去手続きを取らせるアメリカの移民制度に、非難の声を強めた。
こんな目に遭っているのは、ヨハンだけではない。このような境遇にある子供たちには裁判所が任命する弁護士をつける権利もなく、身ひとつで出廷しなければならない。子供の法的代理を提供する団体「キッズ・イン・二ード・オブ・ディフェンス」によると、弁護士の援助のない子供の9割は母国に送還されるという。
そして忘れてはいけないことがある。アメリカでの生活に望みをかけ祖国を捨てて一か八かで入国した彼らが送り返される先は、そもそも暴力の絶えない土地で逃げ出したくなるような地だということを――。