40代は、おしゃれを置き去りにしない...冨永愛の「新・幸福論」とは?
年齢を重ねた女性たちは、おしゃれをして出かける機会がそもそも減ってしまうのだ。だから「会社に着て行く服」「保護者会に着て行く服」など目的別の実用重視になってしまって、おしゃれを楽しめないのではないか。これは、私の仮説だけれど。
だったら、出かけよう。夫や、恋人や、ボーイフレンドと、ときめく外出を増やそう。欧米だと、おしゃれなバーには素敵な大人の男女がいる。日本は若いカップルか、仕事帰りの男性しかいない。残念だ。
女友だちとのお出かけだってもちろんいい。歌舞伎やミュージカルにうんとおしゃれして行くのも楽しいと思う。デートでなくても、特別なイベントがなくても、おしゃれして出かければ胸はときめく。
私はときどき「今日はデートですか?」と事務所の人に聞かれることがあるのだけれど、単に朝の気分で「なんかおしゃれしたい」と思っただけのときもある。事務所に来て、家に帰るだけでも、おしゃれしたいときにはおしゃれするのだ。でないと、おしゃれのしかたを忘れてしまいそうになるから。
デートするときには、何を着るかをものすごく考える。自分が素敵に見える服を選ぶのではなく、二人並んだときにいい感じに見える服を探す。「彼は黒のコートを着てくるだろうから、私も黒でいく?」とか「きっと今日はきれいめの服だと思うから、私もそれに合わせよう」というように。
事前に「今日は何着てくるの?」とは聞かない。聞かないで考えるのが好き。実際に会ったときに、「やっぱりね」と思えるとうれしいから。相手も同じように考えて、私をイメージして着てきてくれることもあるので、そんなときは2倍うれしい。
洋服は人の心にものすごく大きな影響を与える存在だと思う。セクシーな服を着れば、セクシーな気持ちになるし、表情にも表れる。和服を着れば、自然と落ち着いたしぐさになる。パリッとしたスーツを着れば、自然と背すじが伸びて表情もキリリとする。鮮やかな色の服を着れば、なんだか元気になれる気がする。
洋服で気持ちも行動も変えられる。洋服の力を借りて、いまよりもっときれいになろうよ。
冨永 愛(とみなが・あい)
15歳で雑誌モデルとしてのキャリアをスタート。17歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題となる。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルのほか、テレビ、ラジオ、イベント、俳優など様々な分野にも精力的に挑戦。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。著書に『冨永愛 美の法則』『冨永愛 美をつくる食事』(ともにダイヤモンド社)ほか。
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