「母親役でもそれぞれアプローチは違う」...ミシェル・ヨーが語るドラマ『ブラザーズ・サン』の魅力
“It Is a Very Different Experience”
「どんな物語でも核にあるのは家族」と語るヨー MICHAEL ROWE/GETTY IMAGES FOR IMDB
<2023年のアカデミー主演女優賞に輝いたミシェル・ヨーが、ネットフリックスの『ブラザーズ・サン』で複雑でアブない母親役に>
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で2023年のアカデミー主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー。「過去に深く掘り下げたり、経験したことがないと感じる役を探す」のが彼女のやり方だ。
最新作はネットフリックスの連続ドラマ『ブラザーズ・サン』。彼女が演じるアイリーン・ “ママ” ・サンは南カリフォルニアで10代の息子と静かに暮らしていた。
そこへ突然長男が台湾からやって来て、犯罪組織「トライアド」のボスだった夫が狙撃され、家族が狙われていると告げる──。
ただし、これはただの犯罪ドラマではない。アクションあり、笑いありで、「殺しや血なまぐさい描写はもちろんあるけれど、どんな物語でも核にあるのは家族」だという。
アイリーンは家族を守りながら、裏の世界に軽々とカムバックする。「一度自転車の乗り方を覚えたら、忘れないものだ」
特定の1人が主人公のドラマではないが、「もし自分がグループの年長者なら、全体の雰囲気を決めるのは自分の責任だと信じている」と語るヨーに本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
──最初は物静かだけれど、やがて内に秘めた強さを見せる。そんな役を求めている?
もちろん。『クレイジー・リッチ!』のエレノア、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のエヴリン、そして『ブラザーズ・サン』のアイリーン。みんな母親だけど、役作りのアプローチは全然違った。
──アイリーンとその2人の違いは?
犠牲の感覚。新しい場所へ行くためには元の土地を離れないといけない。移民の家族なら誰でも共感できる感覚だと思う。
アイリーンの場合、息子を後に残して行くしかなかった。しかも、2人の息子のうち1人を選ぶか、2人とも選ばないかの二択だった。