コロナ禍で結婚式のスタイルは大きく変化したが、本当の「黒船」はZ世代
Are Weddings OK?
50人程度の式が急増
ウエディング・リポートの最新の調査では、アメリカの結婚式の招待客は平均127人だ。ブライダル誌ブライズの定義によると、「親密な式」とは、一般に招待客が75人以下の式のこと。「小さな式」は50人程度だ。そしてこのタイプの式が増えている。
小規模で落ち着いた雰囲気の式が好まれるのは、コロナ禍の影響もあるかもしれない。ある意味で、カップルも招待客も、大勢が集まる(そして飲酒を伴う)イベントは警戒する癖がついている。
ハネムーンにも変化が見られる。ウエディングギフトは、新婚カップルの家族や友達が個々に考えて贈る方法から、カタログから商品を選ぶスタイルに変わってきたが、ハニーファンド社はそれを一歩推し進めた。
同社では、結婚するカップルに、モノではなくハネムーンをプレゼントする一種のクラウドファンドを提供している。
共同創業者でCEOを務めるセーラ・マギルズは、結婚式の小規模化の傾向に驚いていない。
「これは長期的なトレンドだと思う。結婚式の費用が高騰している上に、ソーシャルメディアなどの影響であれもこれも詰め込まなくてはというプレッシャーが大きくなり、新婚カップルの予算や考え方に合わなくなった」
伝統や世間体を捨てて
その代わりハネムーンにお金をかけるカップルが増えたと、マギルズは言う。これは、伝統や世間体よりも経験を重視するカップルが増えていることを示すポジティブな傾向だと、彼女は考えている。
「コロナ禍で、自分の人生で本当に重要なことは何だろうと考える人が増えた」と彼女は言う。「ウエディング業界が、『完璧な結婚式にしなければ一生後悔するぞ』と、カップルに脅しをかけて豪華な式を挙げさせる商売は、もはや通用しなくなったのだ」
トレンドの究極形がマイクロウエディング(一部の定義によれば、招待客20人以下の結婚式)や「駆け落ち婚」だ。どちらもコロナ禍で人気になったという。
実際、駆け落ち婚は今や立派な産業だ。言葉の元の意味と裏腹に、写真・動画撮影込みのパッケージサービスや「駆け落ちプランナー」まで登場している。
結婚式の小規模化が進む背景には、「集中的贅沢」というコンセプトが台頭していることもある。