エリザベス女王との昼食会で犬用おやつを食べた閣僚がいたことが発覚
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<女王のコーギーのものだと気付くことなく食べ終え、「特にチーズと珍しいビスケットが美味しかった」と語っていた>
ジャーナリストで王室伝記作家であるロバート・ハードマンの新書『Queen of Our Times』に、ある昼食会でのハプニングが紹介されている。
それによると2008年、エリザベス女王は、当時のアラン・ジョンソン保健長官とウェールズ大臣のポール・マーフィーとの会議後、2人をランチに招いていた。
特にトラブルもなく午後のひと時を過ごし終えた2人の閣僚。帰りの車に意気揚々と乗り込むと、マーフィー元大臣は「なんて素晴らしい料理なんだ。とても美味しかった」と、ランチで出された食事について嬉しそうに語り出した。
しばらく料理の話を続けるなか、ふとジョンソン元保健長官がこう言った。
「特にチーズと珍しいビスケットが美味しかった」
それを聞いたマーフィー元大臣はハッとした。「いや、あのビスケットは女王のコーギー用ですよ」
その時ようやく、ジョンソン元保健長官は、自分が気に入って食べていたのは女王の愛犬のためのおやつだったことに気づき、「ボニオ(英国で販売されている犬用ビスケット)でチーズを食べたのは初めてだ」と、ジョークを飛ばした。
ミスをしてしまった人たち
英王室のルールや礼儀作法を十分に理解しないまま女王に謁見してミスする世界のリーダーは少なくない。
ジョー・バイデン米大統領は、2021年6月にウィンザー城で女王に謁見した際、サングラスをつけたままで臨んでしまった。天気が良く日差しで眩しかったとはいえ、これは失態だった。
王室エチケットの専門家グラント・ハロルドは当時ニューズウィークに対し、「女王と対面する場合、どんな紹介でもアイコンタクトはかなり重要なので、サングラスなどはもっての外です」とコメントを寄せた。サングラスをしていたのは良いとしても、女王に会うときには外すべきだった。
ドナルド・トランプ前米大統領は2018年、対面してわずか数秒でミスを連発した。まず、王室マナーの基本である女王への敬意を示すお辞儀をせず、その後、彼女の前を歩くという二重の失態を犯したとインデペンデント紙は報じた。
ただアメリカ人は基本、外国の君主にお辞儀をしないという説もあり、2011年にウィンザー城を訪問したバラク・オバマ元大統領も女王にお辞儀をしなかったと米CNNが伝えている。ミシェル・オバマ夫人は2012年に、女王に触れてはいけないというルールを知らなかったのか、女王を抱きしめた。これに対し女王は、英国の国家元首はこの不手際をユーモアたっぷりに受け止め、ゲストに恥をかかせないようハグし返した。