最新記事

人工授精

「処女の母親」という選択 性交渉経験のないままシングルマザーになった彼女の想い

2022年02月20日(日)21時05分
田中ゆう

当時7カ月の娘のスカーレットちゃんと Courtesy Kimberley Goodsall

<男性とのセックスなしで赤ちゃんを産むシングル女性は、誰もが想像するよりもはるかに一般的で、ある種のトラウマのために性的関係を持たないが子供を望むというカップルもいる>

世の中には、結婚して子供がほしい女性がいるように、逆も然りで結婚せずシングルでも子供がほしい、と考えるひともいる。英デイリー・メールのストーリーに登場する英国在住のキンバリー・ゴッドソールさんは後者だ。

彼女は38歳の処女。セックスの経験がないにもかかわらず、妊娠と出産について話している。排卵誘発剤に2万1,000ドル(約240万円)以上を費やし、その後2019年2月に娘のスカーレットちゃんを授かった。

"無原罪の御宿り"*や、スカーレットと私が降誕劇のスターになるべきか、とか、友人から、その類のジョークは散々聞課されました。それを聞いても何も怒ってはいませんよ」

  • *"無原罪の御宿り":イエスの母マリアが神の特別な恵みよって、その母アンナの胎内に宿り、この世に生を受けた瞬間から原罪をまぬがれていたという教え

  • 増える「処女の母親」という選択

    実は、パートナーや異性と体の関係を持つ前に子供を産むことを選択する「処女の母親」は増えている。セックスをすることなく赤ちゃんを産む女性は、誰もが想像するよりもはるかに一般的で、ある種のトラウマのために性的関係を持たないが子供を望むというカップルもいる。ゴッドソールはその一例で、英国の少なくとも4つの不妊治療クリニックは近年、異性愛者の処女が妊娠するためにサポートしてきた。

    英国のある産科医は、妊娠したいと思っていた性行経験のない女性3人をケアしたと、ABCNewsに語った。 「1人は多忙なキャリアウーマンで、セクシュアリティを探求する機会を自らに与えていなかったと思います。3人ともバランスが取れていて、精神的にも母親になる準備はできていました」と話す。

    iStock-1152441056001.jpg

    Morsa Images-iStock 

    米国にどれほど「処女の母親」が存在するか正確な数は不明だが、英国と同様に女性が性交渉を持たないで母親になるのを全国の産科医が助けている可能性はある。

    「ロマンチックな人生観だと思いますが、幼い頃から子供が欲しかった。そして結婚しようとしている人とだけセックスしたいと思っていました」と彼女は言う。

    交際に発展した男性は2人いたが、セックスすることなく、どちらも約3か月しか続きませんでした。「それで20代半ばまでに結婚していなかったとき、私は失敗したと感じました」

    ゴッドソールは30代半ばまでに理想の男性を見つけられていない現実と、刻々と過ぎる体内時計のリミットに打ちひしがれた。

    「私が母親になる夢を覚えている限り、子供を持つという夢を実現することなく、一生を終えるという考えには耐えられませんでした」

    あわせて読みたい
    ニュース速報

    ワールド

    アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

    ワールド

    イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

    ビジネス

    米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

    ワールド

    ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
    あわせて読みたい

    RANKING

    • 1

      「男性に守られるだけのヒロイン像」は絶滅?...韓ド…

    • 2

      残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

    • 3

      メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

    • 4

      韓国のキム・ジヨンに共感する、日本の佐藤裕子たち..…

    • 5

      24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

    • 1

      メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

    • 2

      タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

    • 3

      残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

    • 4

      「ショート丈」流行ファッションが腰痛の原因に...医…

    • 5

      「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

    • 1

      ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…

    • 2

      「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

    • 3

      メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…

    • 4

      キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…

    • 5

      韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …

    MAGAZINE

    LATEST ISSUE

    特集:トランプ新政権ガイド

    特集:トランプ新政権ガイド

    2025年1月21日号(1/15発売)

    1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?