女性上司からのフィードバックはムカつく 20代従業員は差別しないが...
管理職の女性に対する差別をなくそうとする動きはあるが…(写真はイメージ) FatCamera-iStock
<男女ともに女性からの批判に対してより否定的な反応を示すことが報告された。これは、リーダーシップの役割を担う女性の成功に影響を及ぼす>
男性上司のオフィスに呼ばれたシーンを想像してほしい。ドアを締め切ると、彼は重い口を開く。男性上司はあなたの最近のパフォーマンスとコミットメントの欠如に失望しているようだ。「フィードバックを受け入れて、もっと努力していただけませんか?」もしくは「新しい仕事を探し始めますか?」
さて、あなたの上司が男性ではなく女性だった場合、あなたの反応は異なるだろうか?
女性管理職はツライ
昨年2月にジェーン・フレイザーがシティグループCEOに就任。米金融業界で初となる女性トップの誕生はウォール街だけでなく、世界中の女性リーダー、そして企業へ、成功に向けたメッセージが込められている。ガラスの天井にヒビが入ったのだから。
とはいえ、女性管理職への風当たりは強い。それも味方である社内から。従業員の中でも部下にフィードバックを与える地位にある女性は、部下へのフィードバックが裏目に出そうな場合には本心を抑え、代わりにあまり効果の期待できない管理戦略を採用してしまう。結果、その地位を維持することに全く関心をなくしてしまう可能性がある。
S&P 500企業のうち女性従業員の占める割合は45%だが、役職で見ると性差は歪だ。女性は、中堅レベルのマネージャーが37%、上級レベルのリーダーが27%、CEOでは約6%にとどまっている。
学歴のせい?──いいえ、2018年に男性を学歴で追い抜いたにもかかわらず、だ。およそ10年前からリーダーシップ能力を測るテストでも女性が高得点を出し始めていた。
これまでの研究では、上級管理職の求職者に対する性差別の明確な証拠は確認されていない。方法論的な制約のため、このような研究は通常、エントリーレベルのポジションの採用に焦点を当てていることから、研究者が民間企業の業務内での相互作用を観察するのは簡単ではないし、ましてや昇進における差別を研究するのははるかに難しい。