SKハイニックス第4四半期営業利益、初のサムスン超え 株価は下落
DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)で世界2位の韓国SKハイニックスが23日発表した2024年第4・四半期(10―12月)決算は、本業のもうけを示す営業利益が8兆1000億ウォン(56億4000万ドル)と過去最高になり、ライバルのサムスン電子の予想の6兆5000億ウォンを上回った。写真は、同社本社内のロゴ。2016年4月、城南市で撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Joyce Lee Hyunjoo Jin
[ソウル 23日 ロイター] - DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)で世界2位の韓国SKハイニックスが23日発表した2024年第4・四半期(10―12月)決算は、本業のもうけを示す営業利益が8兆1000億ウォン(56億4000万ドル)と過去最高になり、ライバルのサムスン電子の予想の6兆5000億ウォンを上回った。アナリストらによると、SKハイニックスの四半期営業利益がサムスンを超えるのは今回が初めて。
SKハイニックスは米半導体大手エヌビディアに供給しており、生成人工知能(AI)に使われる広帯域幅メモリ(HBM)などの先端半導体の販売が好調だったのが業績を押し上げた。一方、サムスンはエヌビディアへの最先端のHBM供給が遅れており、明暗を分けた。
SKハイニックスの営業利益は、LSEGスマートエスティメートによる市場予想の8兆ウォンを上回った。前年同期は3460億ウォンだった。
SKハイニックスは「HBMと高密度サーバー用DRAMの需要は(中略)世界の大手ハイテク企業のAIサーバーへの投資が拡大し、AIの推論技術の重要性が高まるのに伴って増加を続けるだろう」とコメントした。
同社によると、第4・四半期のHBMの売上高はDRAM総売上高の40%を占めた。全体の売上高は前年同期比75%増の19兆8000億ウォンだった。
<株価は下落>
ただ、23日の株式市場ではSKハイニックスの株価が3%下落。経済の先行き不透明感や中国勢との競争激化を背景に、スマートフォン向けやコンピューター向けの汎用メモリーの需要減少ペースが加速すると警告したことが嫌気された。
同社のキム・ウヒョン最高財務責任者(CFO)は決算説明会で「貿易保護主義が高まり、地政学的リスクが深刻化する一方、パソコンやスマートフォンのメーカーが在庫調整を行っているため、今年のメモリー半導体市場には不確実性が存在する」と指摘。
高性能半導体については需要増加で供給が引き続き逼迫するが、旧来の製品については需要の減少が加速すると述べた。
BNK投資証券のアナリスト、Lee Min-hee氏は、第1・四半期の半導体出荷見通しが予想を下回り、市場に失望感が広がったと分析。
「私は第1・四半期の営業利益を6兆ウォン強と予想していたが、今は5兆5000億ウォン程度になると予想している」と述べた。
SKハイニックスは、第1・四半期のDRAMとNAND型フラッシュメモリーの出荷が前四半期比で10─20%減少すると予測した。
今年の設備投資は昨年をわずかに上回る程度となる見通し。HBMの生産と国内の新工場に重点的に投資する。
サンサンイン投資証券のアナリスト、Jung Min-gyu氏は「HBMに対する保守的な設備投資計画を受けて、需要減速への懸念が高まった」と述べた。
SKハイニックスの幹部は「AI業界は大方の予想を上回る成長の可能性を秘めており、膨大な計算能力が必要になる。HBMの長期的な需要に疑いの余地はない」と語った。