ソフトスキル後発国の日本人がグローバルで生き残るためにできること
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<アメリカ人の親を観察していると、子どもへの投げかけにある特徴が見られます。「考える力」が養われる家庭内のコミュニケーションの秘訣を探っていきましょう>
現代社会では、医療やテクノロジーはもちろん、ダイエットから子育て方法に至るまで日々新しい発見や検証がなされ、それまでの常識をくつがえすような事柄が次々と生まれています。一体何を信じたらいいのかわからなくなるかもしれませんが、これはグローバル社会の宿命だと言えます。
つまり、変化の激しい時代では、自分の頭で考え、自分にとってより良い選択をする力が求められます。情報を見極める力、常識を疑う力、未来を予測する力、仮説を立てる力、問題を解決する力など、「考える力」が育っていなければ、氾濫する情報や社会の変化にふり回されてしまいます。
日本の学校教育ではソフトスキルが育たない
しかしながら、現在の日本の学校教育では十分な「考える力」は育ちません。学校教育の主流は「教科書知識の記憶」と、正解が明らかな「◯×式テスト」で高得点を取るためのテクニックの詰め込み教育が続いています。
知識はもちろん重要なのですが、知識はスマートフォン一つで簡単に手に入れることができる時代です。その知識をどう活用するか、知識を動員してどう自分なりに答えを導き出していくのかが問題なのです。
偏差値のように数値で評価できる技能を「ハードスキル」と言います。一方で数値化することが難しい技能を「ソフトスキル」と言います。すなわち、批判的思考力、問題解決力、コミュニケーション力、協調性など、「◯×式テスト」の結果で評価することが難しいスキルのことです。
1980年代以降、アメリカの学校教育はハードスキルからソフトスキルへ、中でも「考える力」の育成へとシフトしていきました。教科書を読めばわかる知識を教えることよりも、教科書には載っていない実用的な技能を教えることが学校(教師)の仕事と考えられているのです。
日本の学校教育は「ハードスキル」の育成においては世界でトップクラスを達成しました。しかし、これからはそれだけでは足りません。時代の変化に対応できる人材を育成するために、そして子どもたちが自分らしく自己実現を図るために、「ソフトスキル」の育成が重要になってきます。