子どもの「自主性」を育てる親は、人生の哲学を伝えあとは子どもに任せる
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<親の干渉が強ければ、子は自信のないまま大人になってしまう。とはいえ、放任するのもまた違う。子どもの自主性を尊重するとは具体的にどういうことか、名門校の首席卒業者のケースを交え解き明かしましょう>
私は、日本、アメリカ、中国で学習塾を経営する中で、多様な子どもたちを預かってきましたが、学業や課外活動、そして社会で成功を収める子どもには人種や国籍を越えた行動の一致が見られます。たとえば大きな特徴の一つとして「自主性の高さ」があります。
努力を惜しまず、勉強も、習い事も100%の力で打ち込むのです。全力を出し切るからこそ、自分の選択に後悔することなく、また失敗や成功、すべての行動から学びを得て、成長し続けていくという好循環が生まれます。
それゆえに、少々の挫折には折れない心の強さ、物事を最後までやり遂げる意志の強さ、何事もコツコツ続けるという積み重ね、より大きな目標に挑戦するチャレンジ精神などが身についていきます。
よい習慣が自主的な「やる気」につながる
「勉強しなさい!」と言われなくても自主的に勉強し、社会に出てからも誰に何を言われずとも努力と研鑽を続けていける。自分のなすべきことに対してモチベーションの高い子どもに育てることができれば、将来、どんな道を選択しようとも、成功できる可能性は飛躍的に高まります。
教育の世界では、やる気や粘りメンタルタフネスなど「成功するために不可欠な資質」を「非認知スキル」と呼ひます。このスキルはどうすれば身につくかと言うと、答えはとてもシンプルです。子どもに「よい習慣」を身につけてもらうこと。これに尽きます。
子どものやる気を伸ばす行動を積み重ね、習慣化し、定着させるのです。優秀な子どもはもれなく「よい習慣」を持っています。この習慣が、子どもの人生の基盤となっていくわけです。
よい習慣が身についている子どもの「親」に必ず共通するのが、「子どもの自主性を尊重すること」です。
自主性を尊重するとはどういうことかというと、「あれをしなさい」「これをしなさい」といった命令や指示をしないこと。子どもの選択を大切にし、親が具体的な行動を強要することがないのです。もちろん、「勉強しなさい」「宿題をしなさい」とも言いません。
一方で、子どもの好きなこと、興味のあることには惜しみない協力をし、学びの場を積極的に用意しているのです。