「英語下手」だった韓国人の英語力が向上したワケ
グローバルエリートを輩出する韓国の進学校
2013年のハーバード大学(大学院含む)の国別在籍者数を見ると韓国人は293名で、1位中国(722名)、2位カナダ(568名)に次ぐ第3位です。(同年の日本人在籍者数は88名)韓国人学生のアメリカ大学進学を後押ししているのが、特殊目的高校、自立型私立高校、国際高校など、特定分野で秀でた才能を持つ学生を養成するエリート高校の存在です。
ソウル市にある大元外国語高等学校は1984年に設立された外国語専門高校です。ソウル大学、延世大学の合格者数は常に韓国1、2位を争う進学校でしたがグローバル化が進んだ2000年以降、進学先ターゲットをアメリカの大学へと変えました。以来毎年50名近くの学生をアメリカのトップ大学へ送り込むようになり、その名が世界でも知られるようになりました。
大元高校の成功に触発されて、韓国の進学校の多くがアメリカやイギリスの名門大学へとターゲットを変更しています。世界のトップ大学を目指すという韓国人の教育に対する情熱の高さには舌を巻きます。通貨危機に端を発したグローバル化は英語熱を過熱させ、韓国人の目を一斉に世界へと向けさせたのです。
[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。
2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。