最新記事

SNS映えが人気の秘訣? 欧米でブラックフードにラブコール

2020年08月27日(木)19時20分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

ブラックフード・フェスティバルを主催するフードブロガー、レギーナ・ボロスさん  Photo:Black Food Festival

<海苔、ごま、お米、キャビア...... 世界にはおいしい黒い食べ物があふれてる!>

世界に広がる「ブラックフード・フェスティバル」

欧米で、黒い色の食べ物や飲み物の人気が高まっている。今月末にハンガリーのブダペストで開催される「ブラックフード・フェスティバル」という新しい食のイベントはその一例だ。

このフェスティバルの目的は、文字通り、黒い色の食べ物や飲み物を味わうこと。ブラックベリー、ブラックオリーブ、バルサミコ酢、海苔などの黒い食材も、活性炭(食炭)やイカ墨で黒く色づけした食べ物も、とにかく黒いものが目白押し。加えて、黒い衣類やアクセサリーや小物も販売している。ドレスコードも黒が基本だ。

イベントを発案したのは、同市出身のフードブロガー、レギーナ・ボロスさんだ。2018年11月、同市で初めて開催した。これが成功を収め、翌月にはドイツ・ベルリンでも開催、2019年は一挙に8か国(イスラエル、フィンランド、アメリカ、トルコ、イギリス、ケニア、ルワンダ、エストニア)に拡大した。エストニアではエージェントのサポートもあり4千人が訪れて大盛況だった。エージェントなしでも、フィンランドなどでは1500人が集まった。

ボロスさんに聞いたところ、今年も新しい国々で開催予定だったが、新型コロナウィルスの影響で断念したそうだ。「日本でもぜひ開催したいと考えています。ジェトロ(日本貿易振興機構)・ブダペスト事務所の協力を得て日本でパートナーを探しました。いまのところ、東京で計画中です」(ボロスさん)。

欧米では黒い色のお菓子は珍しくないが、黒い色の料理を味わうことはあまりない。イカ墨パスタでさえ、筆者が欧州を回る限りでは、それほど一般的な料理ではない。

黒く色づけした食べ物は、2016~17年あたりに急激に増えたようだ。英大衆紙のデイリー・メールは、2016年に黒く色づけした食べ物・飲み物が新しいトレンドだと報じた。

ここに掲載されたニューヨークの人気アイスクリーム店、モーゲンスターンズ・ファイネスト・アイスクリームの活性炭で黒くしたアイスクリームは確かに日本を含めて各地で話題になっていた(注)。ボロスさんも「注目が高まり出したのは、黒いアイスクリームからと言っていいでしょうね」と話す。

また米フォーブス誌では、2017年のアメリカの食のトレンド・トップ10として活性炭を使った黒い色の食べ物を挙げていた。

日本で活性炭を使って食べ物を黒くすることが評判になってアメリカでも真似するようになり、その後、このスタイルがヨーロッパでも注目されるようになったと明言しているマスコミもある。

トレンドのきっかけを作ったのはやはり日本で、おそらく日本の黒いハンバーガーではないか。2014年秋に日本のバーガーキングで販売した、チーズまで黒い黒バーガーは大きなインパクトを与えたように思う。タイムロサンゼルス・タイムズビジネスインサイダーなど様々な欧米メディアがこの黒バーガーを取り上げていた。


(注)モーゲンスターンズ・ファイネスト・アイスクリームでは、ニューヨーク市が活性炭で黒く色づけした飲食品を禁止したため、現在、黒いアイスクリームは販売していない。それを残念に思いTシャツを販売中

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること