外出自粛で仕事に子供のホームスクーリングまで 欧州、新型コロナで母親の負担増が明らかに
ドイツ 感染対策の優等生、ホームスクーリングが負担
ヨーロッパで感染拡大阻止に成功した国の1つとして高い評価を得ているドイツは、オーストリアでの封鎖緩和の数日後、小規模店が営業再開になった。
教育学者と心理学者の2人が、約2200人の親(18%が父親、82%が母親)に対して行ったオンライン調査によると、25%の親が子供のホームスクーリングを負担に感じていた。調査者たちは、家庭のトラブルについて打ち明けたくない親はいるはずだから、負担に感じた親は実際にはこれよりももっと多いと推測している。
63%の家庭で、子供が1日3時間をホームスクーリングに費やしていて、勉強をみるのはほとんどの場合は母親だったという。また約50%の親たちが、子供にやる気がなくて大変だと答えた。
ロックダウンの間、父親より母親の負担が高かったのは、健康保険会社KKHの調査でもわかる。本調査は2019年11月とロックダウン中に行われ、両年とも、18歳未満の子供をもつ親約1000人が回答した(KKHの依頼で調査機関フォルサが実施)。
2019年、母親の約50%が育児でストレスを感じ、33%が仕事でストレスを感じていた。ロックダウン中でもストレスの割合はほぼ同じだった。父親は2019年、33%が育児で、ほぼ50%が仕事でプレッシャーを感じていた。が、ロックダウン中は42%が育児で、36%は仕事でストレスを感じるようになった。
フランス やはり課題はホームスクーリング
フランスは、5月に入って約2か月にわたった封鎖を緩和し始めた。ロックダウンの2週目から3週目までの期間に全国的に実施された調査(有効回答数8158人)の中で父親と母親のストレス度が示されている(リヨン第3大学の教授らが実施)。
下記の表にあるように、ストレスの度合いは最小の1から最高の10までで測られた。ストレス度が高めの7〜10は母親(緑)のほうが父親(青)よりも多いことがはっきりした。
【家で勉強する子供の親たちのストレスの度合い】
緑が母親、青が父親 ストレスの度合いは1が最小で10が最高