子どもの才能を引き出し伸ばすことができる親に共通すること
受験がゴールになってしまわないように(写真はイメージ) imtmphoto-iStock
<多くの親が、我が子には「やりたいことを見つけて、自分らしい人生を歩んでもらいたい」と願っているにも関わらず、「受験」が目標にすり替わってしまってしまう。日本、アメリカ、中国で教育に携わってきた筆者が勧める、子どもの伸ばし方とは?>
「将来、どんな子どもに育ってもらいたいですか?」教育相談に来た親に質問すると「経済的にも精神的にも自立した子どもになってもらいたい」「自分らしい人生を生きる子どもになってもらいたい」「やりがいがある仕事についてもらいたい」など、皆さん素晴らしい子育ての目標をお持ちになっていることが分かります。
「ではご相談内容は何ですか?」
そう私が尋ねると「中学受験をするのですが、どうしたらいいでしょうか?」
「子どもは小学生ですが、◯◯大学に合格させるために、今、何をさせたらいいですか?」など「受験」に関する相談がほとんどなのです。
多くの親が、我が子には「やりたいことを見つけて、自分らしい人生を歩んでもらいたい」と願っています。ところが、子どもが夢を実現していく「手段」であるはずの「受験」が、いつの間にか子育ての目標にすり替わってしまうのです。
何のために受験勉強をするのですか?
親に言われるまま塾に通い、勉強に励み、希望の学校に合格しても、そこで成長がストップしてしまう子どもが多くいることを知ってください。「合格」というゴールを達成したことで目標を失い、次のチャレンジへのモチベーションが上がらないのです。
私は受験に反対しているのではありません。むしろ賛成派です。ただ親子で受験勉強に必死に取り組んでいるうちに、受験がゴールになってしまわないように警告しているのです。
今受験に取り組んでいる家庭では「何のために受験をするのか?」というテーマで、親子でディスカッションをしてみてください。「分からない」という子どもに「あなたの将来のためよ!」などと親の意見を押しつけないでください。なぜ受験するのか分からなければ、その答えを親子で一緒に考えてください。
「親の期待に答えるため」「仲の良い友だちが受験するから」「ライバルに負けたくないから」「学歴は将来大切だから」「良い大学に入れば人生勝ち組だから」などと子どもは答えるかもしれません。
子どもの答えが何であれ、親は否定したり、バカにしたりせず、考えを受け入れてあげてください。受験する理由が見つけからなければ、些細なきっかけで子どものモチベーションは下がり学力は停滞します。勉強できる子に育てるには、子どもが能動的に勉強に向き合うことが必要です。「自主的なやる気」に勝る学習法はないのです。