最新記事

子育て

子どもの才能を引き出し伸ばすことができる親に共通すること

2020年04月14日(火)16時15分
船津徹

賢い親は子どもの「好き」「やりたい」を見逃さない

「受験をする理由が見つからない」「何のために勉強するのか分からない」「将来何になりたいのか分からない」そんな子どもには、受験からちょっと離れて、子どもの「好き」や「やりたい」を見つけてあげてください。

私は日本、アメリカ、中国で教育に関わっていますが、国籍や人種に関わらず、子どもの才能を引き出し伸ばす親は、子どもの「好き」や「やりたい」を見逃しません。たとえ子どもの「好き」が勉強でなくても、その分野への興味や技能を高めることを一番に考えています。

例えば絵が好きな子であれば、上手に描けた絵を額縁に入れて家中に飾ったり、コンテストや絵画展に出品して、周りから評価してもらえるように環境を整えてあげるのです。賞状を貰ったり、ママ友や親戚から「◯◯ちゃんは本当に絵が上手ね」とほめてもらうことで子どもの自信は大きくなり「自主的なやる気」で絵を描くようになっていきます。

勉強面の才能の伸ばし方も同じです。子どもが動物に興味があるならば、動物図鑑や動物の面白い知識満載の本を与え、動物の生態を教えてくれるYouTube動画やテレビ番組を見せ、動物への知識を深める環境を整えるのです。すると友だちや学校の先生から「◯◯ちゃんは動物博士だね!」と認めてもらえ、自信が大きくなり「自主的なやる気」で探求を深めるようになるのです。

コンピューターに興味がある子ならば、プログラミング教室やロボティック教室に通わせて、知識と技能を高める環境を作ってあげます。すると周囲から「コンピューター博士」と認めてもらえますから、子どもは「自主的なやる気」で技能と知識を伸ばしていくようになるわけです。

親が子どもの「好き」や「やりたい」を見つけて、それを伸ばす環境を作ってあげると、子どもの自信は大きくなります。そしてその自信が「自主的なやる気」につながっていくのです。

強みを持たせることが「生きる力」につながる

親の大切な仕事は、子どもの「強み」を見つけて、それを伸ばす環境を与えることです。理想を言えば、小学校時代に「好き」や「やりたい」を徹底的にやらせて「自主的なやる気」を大きく育ててあげてください。

子ども時代を受験勉強だけで過ごしてしまうと、青年期になった時に「自分は何がしたいのか?」「自分は何ができるのか?」「自分はどう生きたいのか」というアイデンティティを確立することができず、周りに流され「何となく生きる人」になってしまう危険性があります。

スポーツ、音楽、アートなどに本気で取り組んできた子どもは、自分の「才能」や「能力」を自覚できるのです。例えばサッカーを真剣にやってきた子は、自分はどのポジションに向いているのか、自分はどの面が優れているのか、自分についての理解を深めることができます。

「強み」を持つことの大切さは、大人になれば誰もが痛感しますが、子ども時代には気づくことができません。だから人生の先輩である親が子どもの「強み」を見つけて、それを伸ばす環境を与えなければならないのです。

「人生の目標は青年期になって見つければいい!」「小学校の時に夢や目標はなかったけど、今は立派に生きているぞ!」という人もいるかもしれません。しかし、小学校時代に受験勉強しかしてこなかった子が、中高生になってから「強み」を持つには、大変な努力が必要です。小学校時代を通して「強み」作りに励んできた子どもとは、既に埋め難い差がついているのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 4

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

  • 5

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること