コロナ禍の今こそ「本質を見抜く力」を子どもに 思考力を高めるオープンエンドの質問が効果的
情報にのまれず、最適の問題解決を導き出す力が求められている(写真はイメージ)LightFieldStudios-iStock
<新型コロナウィルス感染拡大への不安は、休校の当事者である子どもたちがよく感じています。具体的に何が怖いのか、どうしたら予防できるのか、重症に陥る可能性はどの程度なのか──。言語化してあげることで漠然とした不安を軽減できます>
新型コロナウィルスの感染拡大で世界中がぎくしゃくしています。アメリカでもアジア人差別やマスクやトイレットペーパーの買い占め(さらに弾薬の買い占めも!)など、過剰な自己防衛へ向かう人が増えています。
このような危急の時は子どもに「本質を見抜く力」を教えるチャンスです。どうしたら新型コロナウィルスを予防できるのか?どうしたら感染拡大を防ぐことができるのか?どうしたらフィエイクニュースを見抜くことができるのか?親子の対話を通して子どもの「考える力」の育成に目を向けてみてください。
21世紀に求められるスキルとは?
2016年に「World Economic Forum」が発表した「2020年に必要なスキル」によると、1位は問題解決力、2位はクリティカル・シンキング、3位は創造力と、全て「考える力」に関わるスキルでした。
3つの思考スキルの中で私が最も注目しているのはクリティカル・シンキングです。高度に情報化が進んだ現代社会で賢く生きていくためには、情報を取捨選択し、自分の学習や問題解決に活かしていく能力が求められます。
学校教育においても情報媒体を使いこなしたり、インターネットを活用する「情報活用能力」の重要性が増してきていますが、その一方で、子どもたちが氾濫する情報に翻弄されてしまうこと、情報にコントロールされてしまうことが危惧されています。
情報を鵜呑みにせず、多面的に検証し、真意を見抜き、最適な答えを導き出していく思考スキルをクリティカル・シンキングと呼びます。クリティカル=批判的という言葉には「揚げ足取りの思考」という印象がつきまといますが、その本質は「情報を正しく読み取り合理的な問題解決を導き出す思考法」です。
インターネットには新型コロナウィルスに関する情報が氾濫しています。この機会を利用して、子どもと一緒に情報の本質を見極め、自分にとって最適の問題解決を導き出す思考=クリティカル・シンキングを学ぶきっかけとしてみるのはいかがでしょうか。