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観光地化されていない旅先は? 世界の旅人は「絆」を体験できる地へ

Travel Trends for 2020

2020年01月29日(水)18時20分
デービッド・ファーリー

◆観光よりも体験が人気に

旅の最高の魅力は、現地の人々との出会い── 。そんな古くて新しい発見が、大混雑する観光地巡りに疲れた旅行者の心には新鮮に響いているようだ。

「20年に予想される現象の1つは、旅先で住民との交流を求める旅行者が増えることだ」と、英旅行会社ワイルド・フロンティアーズのアンドレア・ロスは言う。「何かのレッスンを受けたり、地元の人と会ったり、現地に溶け込む経験を求める巨大なトレンドが生まれている」

そのためワイルド・フロンティアーズでは、地元住民と交流できるツアーを強化しているという。食事も娯楽も1つの施設で済むリゾート滞在型の旅はもう古い。カギは人との出会いとつながりだ。

◆航空運賃はもっと多様化

かつて航空運賃は、ファースト、ビジネス、エコノミーの3クラスが一般的だった。今は違う。通常のエコノミーよりも、座席周りがゆったりしたプレミアムエコノミーや、最小限のサービスにとどめたべーシックエコノミーなど、乗客の多様なニーズに合わせたクラスが存在する。

20年はこうした航空運賃の多様化がもっと進むだろう。そのトレンドを後押しするのは、格安航空会社(LCC)の運航路線拡大だ。アメリカの国内線では昨年、LCCの参入の影響で多くの路線の運賃が大幅に下がった。

「スピリットやフロンティアといったLCCが、国内線と国際線の両方で存在感を増し、各路線の運賃引き下げを牽引した」と、バーグは指摘する。

「(機機内食や預け入れ荷物を別料金にするなどの)LCCのベーシック料金の圧力を受けて大手航空会社も値下げに踏み切った結果、平均的な航空運賃は17%下がった」

今年は大西洋路線の航空運賃がもっと下がるとみられており、パリやロンドン、ローマなど西ヨーロッパの観光地は一段と混雑しそうだとバーグは言う。もちろん夏季オリンピックという特別なイべントがある東京も、多くの人が旅先として検討しているのは間違いない。

【参考記事】複数の海外メディアが行くべき旅行先として日本をセレクト、その都市は......

◆飛行機よりも電車でGO

気候変動への関心の高まりを受けて、旅行によるカーボンフットプリントを気にする旅行者が増えてきた。このトレンドは旅行業界全体をも変えつつある。「ワイルド・フロンティアーズは、21年までにカーボンフリー(二酸化炭素の排出量ゼロ)の会社になることを目指している。わが社を利用する旅行者のカーボンフットプリントをゼロにするために動きだす」と、ロスは意気込む。

「自分の旅が環境に与える影響を知りたいと思う人が増えるだろう」と、バーグも言う。「実際、ホッパーのユーザーの70%は、旅行の予約をするとき持続可能なオプションを知りたいと言う」

とはいえ、誰もが気候変動抗議運動の闘士グレタ・トゥーンベリのように、大西洋をヨットで渡りたいと思うわけではないようだ。

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