健康な人への恩恵を示す研究はゼロ!? プロバイオティクスの知られざる数字
Gut Health
プロバイオティクスが体に良いことを裏付ける証拠は?(写真はイメージ) ericsphotography-iStock
<腸内環境を整えれば体に良いというイメージが浸透しているが、プロバイオティクスを毎日摂取することで何らかの恩恵があったことを示す研究は実は、皆無だ......>
近年、人間の健康に欠かせないともてはやされているのが腸内の善玉菌。腸を変えれば生活も変わると、健康関連企業はうたう。そして、変化を起こす一つのきっかけがプロバイオティクス(腸内環境を改善する微生物およびそれを含む食品)だという。こうした喧伝のおかげでプロバイオティクス市場は大いに成長し、2020年までに520億ドルになると予想される。だが、裏付けとなる証拠はあるのだろうか。
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悪玉菌が何らかの影響を与えているとみられる疾患。
糖尿病、癌、心臓病、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、肥満、HIV感染症、肝疾患、ぜんそく、関節リウマチ、セリアック病、自閉症
21%
プロバイオティクスの摂取により炎症性腸疾患の症状が軽減された患者の割合。
300〜500種類
腸内細菌の種類。これだけ数が多いので、腸の健康を支えるプロバイオティクスにもさまざまな種類がある。
2歳半
腸内細菌叢が確立されるおおよその年齢。この時期に、悪玉菌も善玉菌も殺す抗生物質を接種すると、大人になってからの健康に影響が出る。
1450万ドル
腸内細菌叢そう(腸内フローラ)が脳に与える影響(ストレス反応など)についての研究に、米海軍研究局がつぎ込んできた金額。
16分の1
カリフォルニア大学デービス校の2016年の研究で分析されたプロバイオティクス製品のうち、ラベルに記されている細菌種を実際に含んでいた製品の割合。規制の緩さが浮き彫りになった。
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