女性に挨拶もできやしない!? でもやっぱり「職場で他人にセクハラをすべきでない」メッセージを込めた話題作
Equal Opportunity Offenders
人種問題にも切り込む
確かに。例えばシーズン1で、キミーを子守として雇っている金持ち女性が、白人のふりをしているネイティブ・アメリカンだと告白する。これに対して「極めて侮辱的だ」と非難する声がオンラインで噴出。だが制作陣はひるむどころか、シーズン2でさらに先へ行った。黒人のタイタスが芸者に扮する演劇作品をアジア系アメリカ人活動家がボイコットするが、彼らは結局、この作品は侮辱的というより単に質が低いのだと気付く。
非難に対するふざけた意趣返しだという批判に、フェイはこう回答した。「彼らには好きなことを書く自由がある。私たちには気にしない自由がある」
嫌ならそれで結構、と言わんばかりの姿勢こそ『キミー』の魅力だ。そんなドラマが最終回を迎えることを、多くのファンが嘆いているに違いない。本作は、前半と後半(配信開始は来年1月)の2部構成のシーズン4で終了する予定だ。
ネットフリックスは最近、オリジナル制作のコメディー作品を複数打ち切っているが、カーロックに言わせれば『キミー』はもともとシーズン4で終わりにするつもりだった。ただし、キミーの冒険はまだ終わらない。ネットフリックスで配信する長編映画の企画が進行中だ。
映画版では、お約束のギャグを見せる野心的な人型ロボット、ユーコをもっと活躍させたいとカーロックはもくろむ。「ユーコの反乱を提案している。目指すは、キミーがユーコと戦う本格派SFだ」
[2018年11月13日号掲載]