「落ち着きある印象」は不利 「面接受けする人」の意外な決め手は?
Don’t Stay Calm
競争の激しい面接では、ヨーロッパ系アメリカ人は熱意を強力アピール PEOPLEIMAGES/ISTOCKPHOTO
<就活での評価の基準は文化によって異なるという新研究>
就職活動では、誰もが不安を感じるもの。それが面接の際にどういう形で表れるかが、合否を左右する可能性もある。
最新の研究によれば、落ち着いている印象を与えようとする志望者は、それだけで不利になりかねない。アメリカの企業は落ち着いている人より、快活な人を求める傾向があるからだ。
この研究は先頃、スタンフォード大学の心理学者チームが学術誌「エモーション」に発表したもの。「労働力が多様化し、労働市場がグローバル化しているなか、国ごとの感情の好みが就職活動の場でどう影響するかを理解するのは重要なことだ」と、論文の共著者であるスタンフォード大学のジェーン・ツァイ教授は言う。
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私たちの日々の言動は、私たちが価値を見いだす感情から影響を受けている可能性がある。だがツァイらの研究によれば、人が重視する感情は文化によって違うという。とすると雇用主は、自分たちに似た文化的背景を持つ人を採用しようとするのではないか。
研究チームは計1041人の協力を得て、採用をめぐる5つの異なる状況を想定した実験を行った。うち4つは、アメリカ在住のヨーロッパ系アメリカ人およびアジア系アメリカ人を、香港在住の中国人と比較した。
ある実験では被験者たちに、インターンを雇うと想定して志願者に求める資質は何かを挙げてもらった。その結果、ヨーロッパ系のアメリカ人は「活気」を求め、香港在住の中国人は「落ち着き」を好むことが判明。アジア系アメリカ人の好みは、この両者の中間だった。
別の実験ではある米企業の従業員たちに、能力的には同レベルの就職志願者3人の応募動画を見せた。1人は快活、2人目は落ち着いており、3人目はその中間だ。
すると回答者の47%が、快活な候補者を雇いたいと評価した。落ち着いた候補者を選んだ人は
23.7%で、その中間の候補者を選んだ人は29.3%だった。
求められる「グローバル」
さらに別の実験では、被験者に「競争の激しいインターン制度に応募する」という設定で自己紹介ビデオを作るよう指示。するとヨーロッパ系アメリカ人は香港在住の中国人より、熱意をアピールする傾向が強いことが分かった。