インド10─12月GDP、前年比+6.2%に加速 政府支出・個人消費増
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インド政府が28日発表した10─12月期国内総生産(GDP)は前年比6.2%増となり、前四半期から伸びが加速した。政府支出と個人消費の増加が寄与した。写真はニューデリーで昨年11月撮影(2025年 ロイター/Anushree Fadnavis)
Nikunj Ohri
[ニューデリー 28日 ロイター] - インド政府が28日発表した10─12月期国内総生産(GDP)は前年比6.2%増となり、前四半期(5.6%増)から伸びが加速した。政府支出と個人消費の増加が寄与した。
ロイターがまとめたアナリスト予想は6.3%増、インド準備銀行(中銀)の予測は6.8%増だった。
好調な農村部経済もGDPを押し上げたが、製造業は依然低迷しており、GDPの伸びはコロナ禍後に見られたピークを下回った。
キャピタル・エコノミクスのハリー・チェンバーズ氏は「10─12月GDPの数字は、昨年末のインド経済が同国にしてはかなり軟調だったことを示している。だが、政府の政策は景気支援に明確に移ってきており、景気は今後さらに回復していくだろう」と述べた。
経済活動の指標である粗付加価値(GVA)は6.2%増で、前期(5.6%増)を上回った。
政府は通年のGDP伸び率見通しを6.5%としている。その達成には、今年1─3月期に7.6%の成長が必要となる。
インドの政府首席経済顧問(CEA)のV・アナンタ・ナゲスワラン氏は会見で、これを達成可能と見ており、都市部の消費が回復している一方で、農村部の底堅い需要が同国の成長を支えるとの見方を示した。
政府支出は前年比8.3%増と、前四半期の3.8%増から大幅に増えた。
個人消費も同6.9%増と、前四半期の5.9%増から加速した。食料品値上がり緩和による農村部の需要改善と、祝祭関連の消費が前年比で増加したことによる。
10─12月の農業生産高は5.6%増に伸びが加速。だが、経済の約17%を占める製造業の伸びは3.5%増と、前四半期(2.1%増)から加速したものの、なお低水準だった。
インド中銀は2月、景気支援のため、約5年ぶりとなる利下げを決定。インフレが緩和すれば追加利下げの可能性も残している。