スーパースター夫婦の初コラボは幸せオーラ全開だった
Happy Ever After

2人は一緒に世界ツアーも(6月9日、イギリスのグラスゴー公演) FROM LEFT: KEVIN MAZUR/GETTY IMAGES FOR PARKWOOD ENTERTAINMENT
<お騒がせカップル、ビヨンセ&ジェイ・Zの共作アルバムは「愛の勝利」がテーマのハッピーソング集>
米ポップ音楽界の最強カップル、ビヨンセとジェイ・Zが6月半ば、初のコラボレーションアルバム『エヴリシング・イズ・ラヴ』を発表した。アーティスト名は本名のザ・カーターズ(カーター夫妻)だ。
ビヨンセとジェイ・Zの初コラボアルバムイメージ NO CREDIT
このニュースを聞いて、まるで長年見てきたドラマが最終シーズンを迎えるような錯覚に陥った。一家のドラマの第1回が「放送」されたのは14年5月12日のこと。ビヨンセの妹ソランジュが、ニューヨークの高級ホテルのエレベーターで義兄のジェイ・Zに殴り掛かる映像が流出したのだ。
奇妙なことに、同じエレベーターに乗っていたビヨンセが妹を止める気配はなかった。このとき初めて、大衆はポップス界のロイヤルファミリーの内紛を垣間見た気がした。金持ち一家の内輪もめは、米テレビ業界の鉄板コンテンツ。それだけに誰もがその成り行きに注目した。
ドラマがストーリー的にも芸術的にも最高潮に達したのは、16年のビヨンセのアルバム『レモネード』だろう。女主人公が夫の浮気を告発して怒りをぶちまけたのだ。すると翌シーズンには、ジェイ・Zがアルバム『4:44』で「俺を許してくれ」と全面謝罪。ということは、2人の共作『エヴリシング・イズ・ラヴ』は、別離か仲直りか、それとも全く新たな展開になるのか──。
大方の予想どおり、その答えは「感動的な大団円」だ。主人公カップルは苦難を乗り越え、結婚の誓いを新たにし、末長く幸せに生きていくと歌う。豪邸やダイヤモンド、高級腕時計、ランボルギーニといった「さすが黒人社会のロイヤルファミリー」と思わせる単語も随所にちりばめられている。
クラブよりビーチ向け
アルバムと同時に、ミュージックビデオ(MV)も公開された。ビヨンセは『レモネード』の発表時に、全12曲のミュージックビデオを映画仕立てにして同時公開したが、今回は今のところ2曲目の「エイプシット」のみMVが公開されている。