新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?
「懐かしさ」などもよく耳にする理由だろう。青春時代に聴いた音楽にはたいていそれに伴う思い出があり、誰でも人一倍の愛着があるはずだ。音楽の「質」はどうだろうか。トロントのロック専門ステーションQ107のホストはDeezerの調査結果を受け、ブログで「ギターやドラムの音のない、大量生産された電子音の音楽」を好まない人が多いからではないかと指摘。
40代・50代のリスナーが多いステーションだが、コメント欄には、YouTubeや地元の音楽祭などで、大量生産ではない、素晴らしい音楽を聞かせる新しいバンドを見つける機会はいくらでもあるとの意見もみられる。30代で音楽の趣味が凝り固まってしまうとの意見には反対が多いようだ。
いつまでも音楽的にオープンでいるために
「昔の音楽の方がよかった」などと愚痴る「音楽老人」にならないためには、どうすればよいだろう。ガーディアンがいくつか提案をしている。
自分のプレイリストに飽きたなら、ストリーミング配信サービスやYouTubeで適当に曲を選んでみるか、友人にプレイリストを作ってもらってもいい。Kポップなど外国語の音楽も推薦している。
なかでも、好きなアーティストが影響を受けた音楽をさかのぼってみる、というのは名案に思われる。たとえば、イギリス出身の人気ロックバンドThe 1975は80年代の音楽やブライアン・イーノを聞いて育ち、ニューシングル『ギヴ・ユアセルフ・ア・トライ』の素早いリフは、ジョイ・ディヴィジョン(1979年)の『ディスオーダー』から派生している、という。
ほかに、「楽器を習うこと」は「音楽的冒険へのもう一つの入り口」と提案。たとえば、ドラムを叩くことでクライド・"ファンキー・ドラマー"・スタブルフィールド(ジェームズ・ブラウンのバックを務めた伝説的ドラマー)に行き着いたり、ピアノを習うことでショパンを演奏したりするようになるかもしれない。また、筆者はかつてオペラ嫌いだった自身の経験もあげ、嫌いな音楽をあえて聞いてみることもすすめている。
新しい音楽を聞かない理由に「いろいろありすぎる」とあがっていたが、インターネットやストリーミングで異国の音楽や未知のジャンルなどをいとも簡単に発掘できる現代は逆に音楽の嗜好を深める絶好のチャンスだろう。昔の音楽ばかり聴いていてはもったいないかもしれない。